紺野彩夏、”恋愛感情の搾取”は女性だけの共感ではない 大胆シーンも多い難役に自然体で挑む<サブスク彼女>

ドラマ「サブスク彼女」主演の紺野彩夏撮影=鈴木康道

ドラマ「サブスク彼女」(毎週日曜深夜0:55~/ABCテレビ、DMM TV独占配信)が5月7日(日)よりスタートする。本作はSNSなどで若年層を中心に人気を集める、山本中学による同名漫画の実写化作品。主人公の女子大生トモは、本命彼女に選ばれず恋愛感情を搾取され続けてきた苦い経験から、便利な彼女サービス“サブスク彼女”を思い付く。月額定額制で彼女になる割り切り恋愛スタイルなら、恋に苦しむこともない、と――。そんなこじらせたトモを演じるのは、モデルとしても活躍し、近年多くのドラマに出演する注目の若手女優、紺野彩夏。一癖も二癖もあり、大胆なベッドシーンも多い難役にどう挑んだのか。

トモは純粋すぎるがゆえのこじらせ女子


――地上波の連ドラ初主演になります。現場にはどう臨んでいますか?

私自身はいつもとそれほど変わりなく、という感じで、どうしてかというと、今回共演のキャストさん、スタッフさん共に若い世代が多く、みんなで一緒に考えながら作品を作っていくような感覚が強いからかもしれません。私としては「主演だから」という気負いはなく、みんなが楽しく撮影できる現場になればいいなっていう気持ちですね。

――撮影真っ只中ですが、トモをどういう人物だと捉えて演じていますか?

トモは本命彼女には選ばれない女の子。本命になれなくて、ただ都合よく使われるだけなら自分から便利なサブスク彼女になって、恋愛搾取される女をやめようと決めた子です。出した答えがサブスクというちょっと変わったものではあるけれど、その行動の動機、そこにたどり着くまでの感情はすごく純粋なんですよね。本命になりたいという気持ち。でもなれないなら…って、純粋すぎるがゆえの答えだと思うし、純粋だからこそ人を巻き込む力がある子だと思って演じています。プラス、そこに見え隠れする空回り感みたいなのは、監督とお話して少し意識しているところですね。

――演じていて、トモに共感するところはありましたか?

トモの願いって、すごく分かりやすくいうと「幸せになりたい」ということなんですよね。それに対しては共感とはちょっと違いますが、「そうだよね」ってなります。トモの前にはコースケ(望月歩)という自分だけを見てくれる存在が現れるけど、そうなると今度は逆に怖くて、勇気が出なくてそっちを向けなくなってしまう。そんな風に素直になれない複雑な心理は共感できる人が多いんじゃないかと思います。

紺野彩夏撮影=鈴木康道


「幸せになりたい」はサブスク彼女みんなの願い


――トモのほか、なーちゃん(寺本莉緒)、スミレ(逢沢りな)という2人のサブスク彼女が登場します。撮影や台本を読んで感じたことはありますか?

幸せになりたいというのは3人共通の願いなんですけど、なーちゃんの場合は人のものに目がいっちゃうせいで、うまく幸せになれないのかなって思います。こじらせ女子な部分がそこかしこに出ていて、トモとはまた違う方向に振れちゃったせいで、幸せになりたいけどなれない女の子なのかなって。もう1人のスミレさんとは、まだ一緒の撮影に入っていないんですよね。台本を読む限り、セクシャルなことに対してサバサバしているというか、割り切り感を感じるんですけど、もしかしたら割り切れていない部分がどこかにあるのかな。そんな風に思いつつ見ています。

――ベッドシーンをはじめ刺激的なシーンも目立ちます。そういったセクシャルなシーンへはどのように向き合いましたか?

セクシャルなシーンだからといって、特別に考えることや、いつもと違った気持ちになるというのはないですね。普段通りの撮影に、普段通りに入る感じです。それはスタッフの方々がそうできるように配慮してくださっているからです。監督は前日からシーンの撮り方を丁寧に説明してくださるし、そこで撮り方についての相談もします。そういう現場を作っていただけたので、セクシャルなシーンでも不安はなく撮影できています。