紺野彩夏、”恋愛感情の搾取”は女性だけの共感ではない 大胆シーンも多い難役に自然体で挑む<サブスク彼女>

女性だけの共感ではない。男性にもトモたちの言葉が届いてほしい

紺野彩夏撮影=鈴木康道


――素直になれない男女の思いが複雑に絡み合う作品です。見どころはどこになりますか?

トモ、なーちゃん、スミレさん。それぞれがそれぞれの思いを抱えてサブスク彼女を始めます。その中で私が演じるトモのことでいうと、すぐ隣にちゃんと見守ってくれている人がいて、本当ならそっちを選べれば自分が望んでいる幸せにたどり着けるのに、彼への“好き”が分からないから選べない。そういう心、行動心理みたいなところは色々な人に共感してもらえると思います。それこそ毎話、毎シーンに、トモの気持ちに頷いたり、なーちゃんの行動に気持ちが重なったり…登場人物たちそれぞれにも共感できるところがあるかなと思います。

――台本を拝読しましたが、刺さる台詞の数々にも目がいきました。「『かもしれない』にまた期待してしまう自分」「怒鳴るヤツって、『怒鳴っていい相手』見てますよ」「本当の愛が欲しいよ」など…セクシャルなシーンをきっかけに興味を持って観たとしても、トモたちのそういった言葉には心を動かされそうですね。

モノローグがけっこう多くて、そこで心の内を吐露する台詞には「分かるな…」というのが多いです。人によっては身に覚えがあったり、身につまされると思います。女性だけの共感ではないし、男性たちにもトモたちの言葉が届いてくれると嬉しいです。

――昨年からドラマ出演が続いていますが、これからやってみたい作品や役柄があれば教えてください。

もう少ししたら制服が着られなくなっちゃいそうなので、制服姿の明るいヒロインを演じることができたらいいですね。ここ最近はキラキラした明るい女の子という役をあまり演じていなく、だいたい今回みたいにしんどすぎておかしい方向に走ってしまうような、王道からちょっと外れた子の役が多いんですよ。全部が「分かる」という人(役)たちではなくて、それはそれで難しさはありつつも、こういう人はこのときにどういう行動を取るのだろうと考えて役を作っていく醍醐味はあります。でも、まだできるうちに制服を着て、王道にキラキラしたいです(笑)。

紺野彩夏撮影=鈴木康道


■取材・文・撮影/鈴木康道