――視聴者が盛り上がりそうな注目シーンがあれば教えてください。
草川:“ちょっぴりホットな”というワードももちろん大事だし、原作もそういうところをすごく大切に描いていて、それを僕たちもドラマで形にしなくてはいけないというのはもちろん重々承知しているのですが、僕たちは「ここでファンのみんなが萌えるだろうな」「キュンキュンするだろうな」と狙ってやらない方がいいなと思っていて。
なので、そこは変に意識せずに、とにかく湊の役に入ってやっています。それが結果、みんながキュンキュンしてくれたり、ドキドキワクワクしてくれる形になっているので、脚本を読んでいても「これは胸キュンシーンで、きっとワクワクするんだろうな」というシーンはあるのですが、いざカメラの前に立つときはその気持ちは0にするスタンスで演じています。
西垣:シンは、人を好きになったり恋人になっていく中で、誰かに突き刺さるような言葉を言っているんです。初めて恋した人と付き合って初めて知る感情を、自分で整理しながら吐き出しているし、共感できるシーンがすごくたくさんあるんですよね。なので、胸キュンシーンでも盛り上がってくれると思うのですが、僕はそういったメッセージもいろいろな人に届けばいいなと思っています。
――湊とシンそれぞれの成長をどのように演じていきたいですか?
草川:湊はむしろ成長とは逆かなと思っています。シーズン2では、付き合い始めたその後を皆さんにお届けするのですが、付き合ってからの方が難しくて…。距離感とか、お互いへの接し方とか、付き合う前よりも繊細に意識していないと出せない空気感があったりするので、そういうのを踏まえると、逆戻りしてそうだなというのは脚本を初めて読んだときにも感じた部分ではありました。
だからこそ、視聴者の皆さんが「もうちょっと頑張れ」と応援したくなるような感じとか、見ていてモヤモヤするようなむずがゆさとか、そういった湊らしさがより強くなっているのかなと感じています。
もちろんシンに対する気持ちはどんどん大きくなっていくのですが、それとは逆に、役として成長しているかと言われると、大人としてのスマートさのようなものは付き合ったことによってより崩れていった気がします。
付き合ったらどうなるのかというのがすごくリアルに繊細にカメラに映っているので、そこが視聴者の皆さんに届けばいいなと思います。
西垣:シンの場合は、初恋なので、付き合ってから知る感情全てが初めてのことなんですよね。だから、湊の言葉や、逆に自分がぼそっと発した言葉にも気付かされることがあって、そういう全ての出来事が自分の成長につながっていると思います。人を好きになり、人と愛し合うというのはどういうことなのか、回を増すごとにどんどん学んでいきます。
シーズン1のときはどうしても主語が自分で、「俺が何とかしてあげたい」「俺は好きだから」と言っていたけど、本当に人のことを好きになったら、「彼を幸せにするには」「彼のためには」と、その主語がどんどん相手になっていくんですよね。そこに気付くタイミングがすごくたくさんあるので、そういったところを大切にしながら演じていきたいなと思います。
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