池松壮亮、柄本佑・森山未來と『シン・仮面ライダー』を語る座談会映像が解禁「3人はこれ以上ないメンバー」

2023/05/01 19:00 配信

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柄本佑「“ひねり出す”時間が作品を作ると思います」


――クライマックスの本郷・一文字・イチローのバトルシーンは、お三方を中心に考案していったと伺いました。庵野さんから「泥仕合」という差し込み原稿(※現場で追加される台本)も入ったそうですね。

池松:「泥仕合」はキーワードになりました。

柄本:その日に撮りたいとなって段取り(※本番前に行う動きの確認)が始まったら「変えたい」となって現場で調整するための待ち時間が発生し、3・4時間経って「1回持ち帰って明日にしましょう」となりました。

僕は誰かがぽつぽつと喋ったり喋らなかったり、20分くらい間(ま)がある時間が割と好きです。「どうしたらいいかわからないから考える」という部分も含めて、そういった“ひねり出す”時間が作品を作ると思います。いまって、現場であそこまで悩める時間がないですから。

池松:そうですよね。ぜいたくな時間でした。学生映画をやっていた頃を思い出しました。

柄本:もちろん大変だし苦悩する時間でもあるしつらい時間でもあるけど、ああいった時間がやっぱりないとなとは思います。

森山:「ドキュメント『シン・仮面ライダー』〜ヒーローアクション挑戦の舞台裏〜」で描かれたように、アクション監督の田渕景也さんとアクション稽古をしたり絵コンテやアクション映像を作って…というやり取りは撮影スタジオに入るまでずっと続いていましたね。

池松:そうですね。それを繰り返して泥仕合にたどり着いたようなところがありました。目まいのするようなあの過程を通ったからこそ見つかったと思います。

森山:田渕さんたちと僕がアクション練習をしているのと並行して撮影は行っていて、その中でどんどん変わっていったんだろうなとは体感として持っていました。

――今回、仮面ライダーのマスクやスーツを着ると可動域もかなり限定された中でのアクションシーンだったようですね。

森山:合皮とはいえ、引っ張られるので動きに制限はかかりますし、汗をかくけど熱が逃げないから蒸れるし、冷えても水分が揮発しないからただただ身体が固まっていくという…(笑)。しかも脱ぎ着するのが面倒くさいからそのまま待機しちゃうんです。身体に悪いことをずっとやり続けた感じでした(笑)。

柄本:身体が固まっちゃうから、座付きのマッサージ師さんがついてくれていましたよね。池ちゃんは最初足をひねっていたけど、その辺りのケアもしていただきました。その方がめちゃくちゃうまくて…。

池松:本当に。全治を1カ月早めてくれました。現場についてくださった数名の先生達には感謝しきれません。

森山未來「仮面ライダー第0号の動きは瞑想(めいそう)や『プラーナ』というキーワードから」


――森山さんはチョウオーグ/仮面ライダー第0号の動きをどのように考案されたのでしょう。瞑想=チャクラを練るといったことがキーワードになっていったと伺いました。

森山:動きに関してはそうですね…本編では使われなかった部分が多いのですが、変身前の基本的な動き方は瞑想や、「プラーナ」というキーワードから考えていきました。プラーナはサンスクリット語で「大気中に存在しているエネルギー」といったような抽象性のある言葉ですが、プラーナを呼吸なのか、体内に取り込んで循環するという考えで動きを作れたら面白いんじゃないですか、という提案はしました。

――現場では、ミリ単位で池松さん・柄本さんのマフラーの位置調整があったと伺いました。森山さんも同様だったのでしょうか。

森山:僕も同様にありました。