――実際に神木さんと浜辺さんの共演シーンをご覧になってどうでしたか?
とにかく画面がリッチ。それを朝からお送りできることがうれしいです。
――これからの二人の恋愛模様の見どころを教えてください。
寿恵子のことを見初めたある実業家が、彼女を自分の妻にしようと動きます。万太郎にとっての恋のライバルが出現するわけです。
万太郎はもちろん寿恵子のことが好きですが、「一人前の男にならない限りは彼女を迎えにいけない」と思い、植物学者として一人前になろうと一生懸命頑張ります。そんな万太郎の姿もひとつ見どころかなと思います。
――最後に、高知編で描いてきたテーマ、そしてこれからの東京編の物語に込めた思いを教えてください。
以前の記者会見で「“天才”を“朝ドラ”主人公にすることの難しさ」について述べたかと思います。
高知編の第5週までは、万太郎だけではなく綾(佐久間由衣)、竹雄(志尊淳)も自分の道を定めていく話でしたが、脚本の長田(育恵)さんと「天才を描くにあたり、天才になるまでをちゃんと描きましょう」と話をしました。
富太郎さんを始めとした実際の天才たちは、きっと初めから悩まず一直線に突き進んだのだと想像します。ですが、今作では天才になるまでの葛藤を、想像を膨らませて描こうと。それが高知編の軸だったと思います。富太郎さんと、我々の主人公・万太郎との一番の違いはそこであり、等身大のキャラクターが人並みに悩みながら自分の道を進んでいくことをテーマにしてきました。
そういった意味では、東京編ではその部分は解放され、実際の富太郎さんのように万太郎自身が太陽のような存在になり、周りを照らして周りが変化していく構図になっていくと思います。東京編からの「らんまん」にもぜひご期待ください。