最高にポップで笑えて泣ける…銀河を救う“ならず者”たち「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の魅力

2023/05/07 11:10 配信

映画 コラム

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3」は、劇場公開中(C) 2023 Marvel

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」3部作の最終章「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3」が、5月3日に劇場公開された。2014年に公開された第1作は、「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」の10作目として誕生し、今回の最終章は32作目。9年の間にドラマも含めて、22作も作られていることに驚くばかりだ。今回はMCUフェーズ2の作品として生まれた「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のここまでの足取りを紹介する。(以下、過去作のネタバレを含みます)

ならず者たちの集合体が銀河を救うガーディアンズに!


まず「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のメインキャラクターについて。リーダーは地球生まれ、銀河育ちの“スター・ロード”ことピーター・クイル(クリス・プラット)。そして宇宙一凶暴で毒舌のアライグマ・ロケット(CV:ブラッドリー・クーパー)と、その相棒で「僕はグルート」とだけ話せる動く木のグルート(CV:ビン・ディーゼル)。そして、指パッチンで銀河の半分の人間を消滅させたサノスの娘で、暗殺者のガモーラ(ゾーイ・サルダナ)。この4人は「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」第1作で、賞金首と賞金稼ぎとして出会った。クイルは彼を地球から誘拐し、なぜか育ててくれた宇宙海賊のラヴェジャーズから逃亡したため、リーダーのヨンドゥ(マイケル・ルーカー)に賞金をかけられて追われていたのだ。

しかし、ノバ軍が統治するザンダー星のど真ん中で住民を巻き込みながらの撃ち合いを繰り広げたため、4人ともノバ軍に逮捕され、刑務所送りに。そこでガモーラが追っていたのはクイルではなく彼が持っていたオーブで、このオーブがかなり高価なことを知ったクイルとロケットは、何としても脱獄して、金を手にしようとする。しかし、それだけでなく、宇宙全体を危機に陥れるほどの力を持つものだったことを知ったクイルらは、サノスと手を組んだロナンにオーブが渡ることを阻止するために、刑務所で仲間になった破壊王・ドラックス(デイヴ・バウティスタ)も加えて戦うことになる。ドラックスはロナンに妻と娘を殺され、積年の恨みを募らせ、復讐(ふくしゅう)を心に誓っていたのだ。しかし、5人だけではロナンに対抗することはできず、ラヴェジャーズを説得して共に戦いに身を投じるのだった。

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」(ディズニープラスで配信中)より(C) Marvel Studios 2023

地球人と宇宙人のダブルだったクイルの正体が明らかに!


こうして5人の凸凹チームとなったクイルらは、2017年に公開された「ガーディアン・オブ・ギャラクシー:リミックス」でまたも仲間を増やし、意外な人物と戦うことになる。仲間になるのはガモーラの義理の妹で改造人間のネビュラ(カレン・ギラン)と、クイルの実父で天界人のエゴ(カート・ラッセル)の従者だったマンティス(ポム・クレメンティエフ)だ。ネビュラは優秀なガモーラに勝つことができなかったせいで、サノスに改造を繰り返されて人間とはほど遠い外見になってしまったため、ガモーラを嫌っていたが、それ以上にサノスのことを恨んでいたため仲間となる。そして、触れた相手の心を読んだり、感情を操作できる“共感能力”の持ち主であるマンティスはエゴの恐ろしさを知っていたため、自然と仲間になった。

「―リミックス」では、実の子・クイルやかつて自分の一部を植え付けた地球の力を奪おうとしたエゴとの戦いが勃発。実は誘拐したのではなく、エゴの目的を知って彼からクイルを守ってきたヨンドゥも加わり、世紀の親子対決が描かれた。最終的にヨンドゥが自分の命と引き換えにクイルを救い、ガーディアンズは全員何とか生き延びた。

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」では、ガモーラを救うためにクイルが生身で宇宙に飛び出したり、ラストではグルートが幾重にも枝葉を伸ばして、仲間を戦火から守った。さらに「―リミックス」では、ガモーラを助けたクイルと同じように、ヨンドゥが命を懸けてクイルを守った。その結果、植物のグルートは枝の状態からやり直せたが、ヨンドゥは帰らぬ人となってしまった。ならず者ばかりだが、仲間のためなら体を張る。そのため、最高にポップでお下品で笑える作品なのに、涙腺も刺激されてしまうのだ。そこがこのシリーズ、最大の魅力だ。

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」(ディズニープラスで配信中)より(C) Marvel Studios 2023