新ピーター・パンを演じるのは期待の新星アレクサンダー・モロニー。2006年生まれでZ世代を代表するアレクサンダーは2017年から子役として活動を始め、本作で長編デビューを果たした。
ディズニーのアニバーサリーイヤーというだけでなく、アニメーション映画「ピーター・パン」公開から70周年という記念すべき年に解禁される肝入りの企画だったため、桁違いのプレッシャーがあったに違いないが、そうした心配を見事に撥ね退け、従来のイメージを引き継ぎつつ、新しいピーター・パン像を描き出してみせた。
フック船長との一騎打ちや海賊船での揺られながらの剣闘など、アクロバティックなシーンも軽快にこなしているアレクサンダー。オーディションでこの大役を勝ち取った彼は「撮影はとても楽しかったです」と話している。これまで描かれてこなかったピーター・パンとフック船長の過去もひとつのみどころ。フック船長役の名俳優ジュード・ロウとも息の合った掛け合いをみせており、観る者を世界観に引き込んでいる。
「世界中の誰もが知っていて長年愛されてきたキャラクターを演じさせてもらえたことはこの上なく光栄でした。さらに(監督の)デヴィッドが各キャラクターの背景や動機について取り組むために、僕たちに与えてくれた自由さも大変気に入りました。」と、あるインタビューで話したアレクサンダー。
「初めて衣装を着て、自分を見た時、あるべき姿になれていると思いましたし、実感がわきました」という彼は現場の居心地の良さが、作品の完成度にも影響しているという。「カメラが回っていない時でもすごく楽しかったです。ロスト・ボーイズたちとふざけたり、水を使って遊んだりして、本当に素晴らしかったです」
軽やかに空を飛び、いつまでも遊び心と冒険心を忘れないピーター・パンは憧れの存在として見られることが多かったが、本作ではそんな理想の少年も完璧な存在ではないことを見せている。
なにも変わらない場所を離れたフック船長と、残り続けたピーター・パン。ピーター・パンはフック船長がネバーランドに飽きてしまい、時が進む人間の世界で大人になり残忍になったと思っているが、フック船長には離れた理由、戻って“これなかった”理由があることが明らかになる。
かつては親友だったが、宿敵になってしまった二人。再び同じ世界で互いがいる喜びを感じることはできるのか。これまで描かれることのなかった内面の変化や周りを思いやる気持ちにも光を当てたアレクサンダー版「ピーター・パン」では、より人間味の増したキャラクターを楽しめるはずだ。
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