【漫画】すべてが一方通行の恋…全員が“片思い”を拗らせてる高校生たちの恋愛模様に反響「心がキュッとなる」「構成が天才」

2023/05/14 10:00 配信

芸能一般 インタビュー

それぞれの片思いが連鎖して…寺田亜太朗さんの『こじらせ片思いしかいないシリーズ』が話題画像提供/寺田亜太朗さん

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、登場人物全員が“片思い”している物語『こじらせ片思いしかいないシリーズ』をピックアップ。

作者の寺田亜太朗さんが4月1日に本シリーズである『応援しにくいラブコメ』と『繋がる一方通行』を、4月11日に続編の『私じゃダメなの』を自身のTwitterに投稿したところ、あわせて9.3万以上の「いいね」が寄せられ反響を呼んだ。この記事では寺田亜太朗さんにインタビューを行い、創作の背景やこだわりについてを語ってもらった。

すべてが一方通行の恋 高校生たちの“胸に秘めた想い”を描く群像劇に反響

『こじらせ片思いしかいないシリーズ』より画像提供/寺田亜太朗さん


文武両道、笑顔を見せないクール系美少年で性格も“塩”な高校生・氷山ショウは、そのイケメンさからクラスでも一目置かれる存在。しかし、そんな氷山には友人である井伊ヤツにしか見せない顔がある。それは、好きな人のことを語っているときに顔を真っ赤にして取り乱す姿。氷山は、バイト先のスーパーを訪れる主婦で3児の母・マイノさんにこっそり想いを寄せているのだった。

そんな氷山のことを小学生の頃から知るクラスメイトの恋塚ハルは、昔迷子になったところを助けられて以来、ずっと氷山に好意を抱いていた。勉強ができて顔がいいからだけでなく、どんなことにも物怖じせずエゴのない優しい性格を好きになったハル。しかし、周囲の女子達からは「氷山のまわりをうろついててウザい」とハブられ、いじめられてしまう。

ハルの唯一の友人である重井ヤマは、ハルを追いかけて同じ高校に進学。そこで、ハルがずっと恋している相手が氷山だと知る。ハルや氷山とクラスメイトとして過ごす中で、ヤマは自分にもクラスの誰に対しても平等に接する氷山の態度を見て、氷山がハルを恋愛対象として見ていないことに気付く。そして、ハルに友情以上の想いを抱くヤマは「わたしじゃダメ…?」と思うようになり…。

高校生たちのそれぞれの片思いが交錯する様子が描かかれ、話題を集めている本作。Twitter上では「想いが報われない人だらけ…それもまた青春」「心がキュッとなる」「みんな幸せになってほしい」「実際に学生だったらこういう子たちいるんだろうな」「構成天才では…?」「もっと読んでいたい」と読者から多くのコメントが寄せられ、反響を呼んでいる。

「“人を想うこと自体は自由”という部分は大事にしていきたい」作者・寺田亜太朗さんが語る創作背景とこだわり

『こじらせ片思いしかいないシリーズ』より画像提供/寺田亜太朗さん


――『こじらせ片思いしかいないシリーズ』はどのようにして生まれた作品ですか?

恋愛ものを読むのは好きなのですが、自分ではまったく描けずに悩んでいたところで「片思いばかりが事故っているギャグオチなら描けるかもしれない」と思ったのがきっかけです。

――スーパーの常連であるマイノさんのことが好きな氷山、氷山に恋をするハル、そしてハルに惹かれ同じ高校に進学するヤマ…全員の“片思い”が交錯する展開が話題の本作ですが、それぞれのキャラクターはどのように生み出されたのでしょうか?

1話オチ部分にノリで描いてしまった3人をそのまま掘り下げていった…というと身もふたもないですが(笑)、「競争率の高いクール系美少年を好きになって、その気持ちを保持し続けられる子はどんな子だろう?」という問いから生まれたのが「恋愛体質で、恋は戦い系幼馴染女子・ハル」。

さらに「その強さをまっすぐ好きになってくれる子はどんな子か?」というところから「孤立に負けないまなざしに救われた問題児・ヤマ」というふうに玉突きでできていった、という感じです。

他がシリアスになればなるほど、たどった先の氷山の性癖の台無しぶりが上がりそうです。

――氷山とハルの物語『繋がる一方通行』や、ハルとヤマの物語『私じゃダメなの』など、登場人物一人ひとりの物語をシリーズで創り上げていく上で寺田亜太朗さんがこだわっている点や特に意識している点があればお教えください。

片思いというのは便利なもので、新キャラの説明をすると交流シーンの心情をきっちり追わなくてもそのまま恋の話になるのですが、惚れているキャラからの視点を描くと、自然と「その前のキャラが意識していなかったいいところ」を盛れるのがおもしろいなと思います。語られる段になってはじめて肉付けができるというか、できれば繋げていきたいですね。

――本作の中で特に思い入れのあるシーンやセリフはありますか?

氷山が性癖を語る最初のシーンです。最初に「描きたい!語りたい!」と思ったシーンがここなのですが、マイノさんと同じ立場の方(や、それを想像できる方)が読むと突然性欲をぶつけられて困惑されると思うので、とっつきづらく、申し訳なく思っています…。しかし「恋」は多分に性欲を含む現象であること、想い自体は自由なこと…などは大事にしていきたいです。

とはいえ、望まれない性欲の押しつけは恐怖を抱かせるものなので、氷山は絶対に報われてはいけませんね。相手既婚者ですし。

――今後の展望や目標がありましたらお教えください。

人も人以外もいろいろ出てくるワイワイ漫画を描いていきたいです!

――最後に作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。

いつも見ていただいている方、まいど妙な漫画をすみません。新たに知っていただいた方、光栄です!これからも思いつくものを描き散らしてまいりますので、気が合うものがありましたら、お目通しいただければ幸いです!