ラランド・サーヤの悩み種、”モンスター社員”ニシダのコンディション問題をApple Watchが解決する<最強の時間割>

2023/05/15 20:00 配信

バラエティー

「最強の時間割 ~若者に本気で伝えたい授業~」に登場した石田宏樹(C)TVer

民放公式テレビ配信サービス・TVer初の完全オリジナル番組「最強の時間割〜若者に本気で伝えたい授業〜」が無料配信中だ。5月12日日(金)に配信開始となったLesson22では、今注目される職業、デジタルアーキテクトの石田宏樹が登場。元乃木坂46中田花奈が生徒として初参加した。

アメリカの人気職業ランキング1位!“デジタルアーキテクト”の役割

「最強の時間割 ~若者に本気で伝えたい授業~」に出演する元乃木坂46・中田花奈(C)TVer

「最強の時間割 ~若者に本気で伝えたい授業~」は、さまざまなジャンルのトップランナーが特別授業を実施し、ラランドサーヤニシダ、そして学生ゲストらが参加。トップランナーたちの授業がアーカイブされることで、TVerに「最強の時間割」が完成するというコンセプトの番組だ。

Lesson22では、“デジタルアーキテクト”の石田宏樹が講師として登場する。デジタルアーキテクトとは未来で起こりうる問題を予測し、その問題を解決するための商品開発を行う職業のこと。アメリカでは2022年人気職業ランキング(デジタル部門)で1位になるほど、世界で注目を集めている。今回は日本のデジタルアーキテクトの先駆者である石田が、東京で麻雀カフェを経営する元乃木坂46中田花奈らに向けて授業を展開した。

石田は慶應義塾大学に在学中に起業。きっかけはSONYの創業者である盛田昭夫氏の言葉だったという。盛田氏の本を読み、感銘を受けた石田は盛田宛ての手紙を会社に送付。すると直接本人から返事があり、そこには「通信を目指しなさい」「起業を考えなさい」ということが書いてあった。その言葉通り、大手電機メーカーとプロバイダー会社を設立した石田は同社を顧客満足度No.1のプロバイダーに育て上げた後、続いてはインターネットインフラを提供するフリービット株式会社を設立。スマホなど様々な技術の開発に取り組んだ。堀江貴文や三木谷浩史もインターネット界のキーパーソンとして挙げる人物だ。

インターネットを日本に根付かせた人物といっても過言ではない石田だが、そのインターネットには様々な問題が潜んでいる。その一つが自画撮り被害だ。未成年が自分の裸の写真などを撮影し、送信させられたり、ネットにアップしたりしてしまう被害が近年急増しており、その数は児童ポルノ問題の約4割を占めている。そんな社会問題を解決するために石田が開発したのが、子供でも安心して持てるスマホとして関東9都県市が推奨する「TONEモバイル」だ。このスマホにはAIが自画撮り被害を防止してくれる機能がついており、実際にサーヤが使ってみると服を着ている状態の人は撮影できるが、下着姿のパネルに向かってシャッターボタンを押すと「不適切な内容のため撮影できません」という文字が画面に映し出される。不思議なことに、水着の場合はぱっと見では下着と変わらないにもかかわらず、撮影ができるという。果たしてAIはどう判別しているのか。

石田によれば、以前は教師データといい、特徴を人間が判断しAIに教えていたが、現在はAI自身が特徴を判別するディープラーニングが主流になっているとのこと。石田は「もはやAIの技術は人間がわからない領域まで進んでいて、例えば人間では猫か犬かわからない動物がいたとしてもAIは判別できると言われている」と語る。そうしたテクノロジーの力を使い、社会問題を解決していくのがデジタルアーキテクトの役割だ。

「最強の時間割 ~若者に本気で伝えたい授業~」に出演するラランドのサーヤとニシダ(C)TVer

モンスター社員問題を解決する方法とは


他にも、今後当たり前になるであろう技術として石田は「アンチフィルターバブル」を挙げる。フィルターバブルとは、インターネット上でバブル(泡)の中に包まれたように自分の見たい情報しか見えなくなること。興味のあるサイトを見ていると、関連の広告ばかり出てくる経験が誰にでもあるはずだ。それがなぜ問題かといえば、本来ならば膨大な情報に自由にアクセスできるインターネットのメリットが失われてしまうということ。自分が知らないことは全く知らない状態になり、それによって各々の意見が先鋭化することで分断が起きてしまう。それに対抗するための機能がアンチフィルターバブル。例えば、自分がどのバブルに入っているか、自分から一番遠い情報は何なのかを可視化できる機能が今後はデジタル機器に標準搭載される可能性は十分にあるという。そうした「未来を創っていくのに貢献したい」と石田は語った。

そんな石田が、普段肌身離さず持っているのがA3の紙。紙はどこにでも持ち運びができて、かつ折れば簡単にサイズを変えられる便利なツールだという。今回はホワイトボートを白紙に見立て、個人事務所「レモンジャム」の社長でもあるサーヤの問題を解決していく。

石田宏樹に「ニシダの実力が安定しない」という問題について相談するラランドのサーヤ(C)TVer

サーヤの悩みは相方で、会社の社員でもあるニシダのコンディションが日によって落ちてしまうこと。そんなニシダが安定して実力を発揮するためにはどうすればいいのか。石田は最初に「人々の笑顔が見たい」という会社の理念をサーヤから聞き出す。その理念を“モンスター社員”こと、ニシダが阻害しているのが現在の問題だ。

そんな問題を解決するための最も重要な手段として、石田はパフォーマンスデータの収集を挙げる。例えば、Apple Watchで心拍数など身体のデータを収集し、パフォーマンスが上手くいく時の共通項を探す。それが見つかったら、その状況をいかに再現するかを考えればいいという。そこで、さらに考えなければいけないのは破綻要因を防ぐ方法。今回の場合はニシダがバンドを外そうとすることを見据え、それを防止するための策を練らなければならない。石田が提案するのは、Apple Watchに鍵をつけるためのテクノロジー。こうすることでニシダのパフォーマンスが改善したら、それをそのまま新ビジネスとして会社で展開することが可能だと石田は言う。あくまでも今回の場合はコンプライアンスを無視した事例だが、これまで数々の社会問題を解決してきた石田の頭の中を覗くことができた。

「最強の時間割 ~若者に本気で伝えたい授業~」に出演するラランドのニシダ(C)TVer

自動運転が人々の時間の使い方を変える


今後、テクノロジーの力で未来はどう変わっていくのか。様々な角度から未来を見据える石田は、「イノベーションとは、これまでの時間の使い方を変えること」だと語る。第一次革命の農業革命にしろ、第二次革命の産業革命にしろ、それによって人々の生活にゆとりがもたらされた。しかしながら、第三次革命である情報(IT)革命の場合、人々は逆に情報を消費するようになる。

では次に人々の時間の使い方が変わる、最後のイノベーションとは。石田曰く、次に起こるのは移動の革命だという。実際にヨーロッパの研究によれば、自動運転になると1日あたり1時間半くらいの時間が絞り出せるそう。そのため、「今から移動時間でできるビジネスモデルを考えるべき」と石田は語る。

そんな石田が考えるかっこいい大人とは、「当事者意識を持っている人」。石田は当事者意識の反対語は被害者意識であるとした上で、「いろんな研究で被害者意識に陥ったら人生損であるという研究結果が出ている」と語る。だからこそ、当事者意識を持つことが大事であると結論づけた。

元乃木坂46・中田花奈らがデジタルアーキテクトの先駆者から思考法を学ぶ(C)TVer