“オスカー受賞”のミシェル・ヨー、アクションで世界を変えたアジア発“常に全盛期”の国際派俳優

2023/05/24 07:10 配信

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ボンドガールでハリウッドに進出!


それから何作か出演した後、結婚により一度は引退したが、離婚を経て、1992年にジャッキー・チェン主演の人気シリーズ「ポリス・ストーリー3」で復帰。同作でミシェルはジャッキーに引けを取らないアクションを披露して、観客を驚かせた。香港映画の見どころであるカンフーはもちろん、バレエ仕込みの柔軟性を生かした華麗なキックや、バイクを運転してそのまま走っている電車に飛び移るというシーンも。そのバイクのシーンはさすがに代役だろうと思うほどの壮絶さだが、エンドロールで映し出されるメーキングシーンで実際にミシェルが行っていると分かり、あぜんとする。

間違いなく香港映画のアクションスターの一人になったミシェルだが、1997年の歴史大作映画「宋家の三姉妹」では、中国有数の名家に生まれた実在の人物に扮(ふん)し、アクションなしのドラマティックな演技で魅了した。

そんな中でハリウッドへの道が開かれた。大ヒットシリーズ「007 トゥモロー・ネバー・ダイ」への抜てきだ。スパイの主人公ジェームズ・ボンドの活躍を描く同シリーズでは、ヒロインが“ボンドガール”と呼ばれるが、ミシェルはボンドと共に戦う強く美しいボンドガールとして存在感を放った。どこまでミシェル本人がこなしているかは定かではないが、ピアース・ブロスナン演じるボンドとバイクに乗ってのアクションシーンは、「ポリス・ストーリー3」を思い返してワクワクさせられた。

そしてアクションもドラマティックな演技もできる俳優として、「グリーン・デスティニー」(2000年)、「ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝」(2008年)、「The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛」(2011年)、「シャン・チー/テン・リングスの伝説」(2021年)など国際的な活躍で出演作を積み重ねた。約40年のキャリア、かなり駆け足での紹介となってしまったが、その積み重ねが「エブエブ」へとつながった。

新作ドラマでもカンフーアクション!?


「エブエブ」は、ミシェル演じるコインランドリーの経営や家族の問題に頭を悩ませるエヴリンが、新たなヒーローとして世界を救うというエンタメ感満載のストーリーだ。マルチバースの要素が組み込まれ、エヴリンはカンフーの達人にもなる。

カンフーを生かしたアクションをさまざまな作品で見せ、ついにオスカー俳優となったミシェル。2024年公開予定の映画「アバター3」への出演が発表されているが、本日5月24日よりディズニープラスで独占配信されるアクションコメディー「アメリカン・ボーン・チャイニーズ 僕らの西遊記」でも彼女の魅力が堪能できる。

同作は、アメリカで育ったごく平凡な生活を送る中国系の若者、ジン・ワン(ベン・ワン)が神話世界の神の息子と仲良くなったことで人生が一変してしまうという試練を描く。カンフーを通して語られる戦いの物語だ。

ミシェルも出演した「シャン・チー」のデスティン・ダニエル・クレットンが監督&製作総指揮を務め、「エブエブ」でアカデミー賞助演男優賞を受賞したキー・ホイ・クァンが共演することでも、大きく注目されている。

予告編を見ると、天女のような姿のミシェルが優雅に舞い降りるシーンや、千手観音のようなシーンも。60歳でなおも輝き続けるミシェルの今後の活躍に期待したい。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

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