コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、不器用すぎる兄弟が直面する日常生活の落とし穴を描いた『犬飼兄弟は不器用』をピックアップ。
本作は、原作・あいづサクさん、作画・ヤマシタクさんによって描かれ、現在くらげバンチ(新潮社)にて連載されている漫画だ。作画を担当したヤマシタクさんが5月9日に本作をTwitterに投稿したところ、1.0万以上の「いいね」が寄せられ、反響を集めている。この記事では、あいづサクさん、ヤマシタクさんのお二人にインタビューを行い、創作の背景やこだわりについてを語ってもらった。
漫画に登場する犬飼兄弟はどこにでもいる平凡な社会人だ。兄は児童用品会社で営業担当として働いており、今日も保育園を回って営業活動を行っていた。頼まれた商品を届けに保育園を訪れると、ちょうど給食の時間で一緒に給食を食べないかと誘われた。今日のメニューは唐揚げだったが、不器用すぎる犬飼さんは唐揚げをお箸でうまく掴むことができないようだ。
すると犬飼さんはおもむろにマイ箸取り出し、いとも簡単に唐揚げを掴んで食べていく。実はこのマイ箸は特殊な形をしており、食べ物が掴みやすくなっている自社の新商品だったのだ。子どもたちに紹介する様子を見ていた保育園の先生は、営業のテクニックだと思い込み、全園児分のお箸を発注してしまうのだった…。
不器用すぎる犬飼兄弟の日常の1コマを8P完結でおもしろおかしく描いた本作。現在くらげバンチで連載中の本作では、不器用な2人の愛らしさが話題となり、不器用な人にしか分からない”あるある”にも多くの共感が集まり反響を呼んでいる。
――あいづサクさんにお尋ねします。『犬飼兄弟は不器用』が生み出されたきっかけや理由をお聞かせください。
あいづサク:8Pという制限のある、くらげバンチの漫画賞に応募させて頂いたことがきっかけです。短いページ数でどれだけ面白くかつ共感して貰えるかを考えているときに、ストローを上手に使えない場面に遭遇した自身の過去を思い出し、「不器用」というネタを思いつきました。
――本作では何気ない日常に潜む不器用ならではの困るポイントが多く描かれていますが、どのようなところからアイデアを得ているのでしょうか
あいづサク:私自身も家族も不器用なので、日頃から「こんなことなる⁈」といったことが家の中でも案外起こっておりまして。それをきっかけにネタを考えることも多いです。担当編集さんとの打ち合わせでの「こんなことって難しいよね」といった会話も貴重なネタの宝庫です
――ヤマシタクさんにお尋ねします。『犬飼兄弟は不器用』について、原作を元に不器用すぎる兄弟それぞれのビジュアルを生み出す際、特に意識した点やこだわった点があればお聞かせください。
ヤマシタク:原作の雰囲気に合うように…おっとり系の顔のお兄ちゃんと、クールな弟くんのバランスに気をつけました。
――本作を漫画として仕上げていくうえで印象深かったエピソードはありますか?
ヤマシタク:煮豆、泡だけのビール、折り紙など描いたことのないアイテムが毎回登場するので描くのが楽しかったです。あと、1話の資料に買ったおにぎりが開けた先からボロボロに崩れて困りました。
――本作の中で、お二人にとって特に思い入れのあるシーンやセリフがあれば教えてください。
あいづサク:3話『兄の仕事』での「豆とは気が合わない」という兄の発言が思い入れのあるセリフです。私はサボテンすら枯らしてしまうほど植物とは気が合わないので、兄の「豆とは気が合わない」という気持ちがわかりすぎ「そうだよねー!」と思いながらセリフを入れました。
あと12話『優しい人』で、小学校時代の弟が折り紙で作った花束を兄に渡すシーンも思い入れがあります。不器用で人よりできないことが多いからこそ、一生懸命で優しいのだという、犬飼兄弟の人柄がわかるシーンはほっこりして気持ちが温かくなりますね。
ヤマシタク:7話『ワイン』で、コルクがどんどん悲惨になっていくシーンが好きです。
――最後に作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
あいづサク:『犬飼兄弟は不器用』は頭を空っぽにして何も考えずに読んで頂ける漫画です。疲れたときや落ち込んでいるときに、「何だ、これ」と笑って少し心が軽くなる、そんな存在であれればと思っております。これからも不器用すぎる兄弟を応援して頂ければと思います。
ヤマシタク:いつも『犬飼兄弟は不器用』を読んで下さってありがとうございます。これからも兄弟の日常を見守って下さると幸いです。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)