本宮泰風、伊藤健太郎は「生意気なガキ」で「すごく真摯に仕事に向き合う役者」 任侠の世界借り普遍的な人間ドラマ描く<静かなるドン>

自分が馬鹿みたいに笑うことで、誰かが笑ってくれたらいいな

伊藤健太郎(右)と本宮泰風(左)撮影=友野雄


──任侠映画のヤクザは義理や人情を大切に、意志を貫きますが、お二人がお仕事をする上で大切にしていることや貫きたいと思っていることはありますか?

伊藤 いっぱいありますけど……一番は出会いですかね。この仕事って、たぶんほかのお仕事よりも、1年間で初めましての人に会う回数がとてつもなく多い職業だと思うんです。しかも1ヶ月とか3ヶ月とか、その期間は毎日のように会う。家族よりも友達よりも、どんな存在よりも長く一緒にいるのに、撮影が終わると、下手したらその後一生会わないかもという人もいる。だからこそ、その期間が愛おしくなると思うんですけど。そういう意味でも、人との出会いは大事にしています。

──たくさんの人と出会い、関係を築いていく中で大切にしていることはありますか?

伊藤 よく笑う!

本宮 確かに「静かなるドン」の現場でもよく笑ってごまかしてたわ(笑)。

伊藤 バレました?(笑)

本宮 みんな気付いてるよ(笑)。

伊藤 でもやっぱり楽しいほうがいいじゃないですか。笑いって伝染するんで、自分が馬鹿みたいに笑うことで、誰かが笑ってくれたらいいなと思っています。

本宮 大事なことだよね。僕は健太郎みたいにきちっと生きていないので、そんな大義名分みたいなことは特にないですが、役者も人間なので、人としてどうあるかというのは無意識に考えていると思います。自分の中で、カッコいいかカッコ悪いかを常に選択している感じです。