スピルバーグ監督の妻や今年の“オスカー俳優”も子役時代に出演…「インディ・ジョーンズ」シリーズの歴史

2023/06/02 07:10 配信

映画 コラム

最新作「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」より(C)2023 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved.

考古学者にして冒険家の“インディ・ジョーンズ”が因縁の宿敵、元ナチスの科学者・フォラーと世界を股にかけて伝説の秘宝の争奪戦を繰り広げるシリーズ最新作「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」が、6月30日(金)に公開される。シリーズ最高傑作ともいわれ、インディ・ジョーンズ最後の冒険となる今作の劇場公開を記念して、5月31日より「インディ・ジョーンズ」シリーズの過去4作品がディズニープラスのスターで見放題配信開始。最新作の公開を前に、過去シリーズのストーリーについてや、秘宝のごとくちりばめられた小ネタを紹介する。(以下、過去作のネタバレを含みます)

ルーカス×スピルバーグの最強タッグ始動


シリーズ1作目「レイダース 失われたアーク《聖櫃》」(以下、「レイダース」)が公開されたのは1981年。これが「スター・ウォーズ」を手掛けるジョージ・ルーカスと、「ジョーズ」「未知との遭遇」を手掛けるスティーブン・スピルバーグがタッグを組んだ最初の作品となった。

主演は、「スター・ウォーズ」でハン・ソロを演じたハリソン・フォード。考古学者で冒険家の主人公・インディが、秘宝を求めて世界中を駆け回り、謎を解き、危険な目に遭いながらもそれらに立ち向かっていく姿は見る者をワクワクさせてくれる。

「レイダース」の物語の舞台は第二次世界大戦前の1936年。旧約聖書に記されている“十戒”が刻まれた石板が収められている神秘の力を宿す“聖櫃(契約の箱)”を巡って、ナチスを相手に争奪戦が展開。世界中の秘宝を狙って盗掘する者が多く登場するが、インディは私利私欲で秘宝を求めているわけではない。秘宝を手に入れ、それを博物館などしかるべき場所に収めるというのが学者としての彼の目的だ。

本題に入る前の冒頭で、インディの普段の冒険の様子を知ることができるシーンが流れてくる。現地の人たちに追い掛けられたり、秘宝のある場所にたどり着いても毒などを用いたさまざまな仕掛けがあったり、まさに命懸け。宝と同じ重さの砂袋を用意してすり替えたり、仕掛けが発動して大きな転がる石から逃げるなど、おなじみのシーンもここで見られる。

その後に教壇に立つ“教授”としての姿も見られるが、講義の様子を学生たちがうっとり見惚れている様子から、生徒からの人気の高さがうかがえる。

聖櫃の場所を特定するために必要な物を取りに寄ったネパールから騒動が起こり、聖櫃のあるエジプトのカイロでは何度も命を落としそうになる場面も。インディが苦手な“ヘビ”との対峙(たいじ)も含め、ナチス、ライバル考古学者など、障害が多く、手に汗握る展開の連続。ジョン・ウィリアムズによるテーマ曲が物語を盛り上げ、カレン・アレンが演じたヒロイン・マリオンの存在も欠かすことのできないピース(一片)となっている。

1981年の最高興行収入を記録する大ヒットとなり、「アカデミー賞」では「美術賞」「視覚効果賞」「音響賞」「編集賞」「特別業績賞」の5部門で受賞。他にも「作品賞」「監督賞」「撮影賞」「作曲賞」にノミネートされ、クオリティーの高さもしっかりと証明された。

オスカー俳優キー・ホイ・クァンも出演


2作目の「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」は1984年に公開された。公開された順番は後だが、物語の舞台は、前作の1年前となる1935年の中国・上海。ヒマラヤの奥地にある村から誘拐された子どもたちと秘宝を奪い返すために邪教集団と対決するという内容となっている。

この作品では野球帽を被った少年ショート・ラウンド(キー・ホイ・クァン)を相棒に、ナイトクラブの歌手ウィリー・スコット(ケイト・キャプショー)をヒロインに物語が展開。キー・ホイ・クァンは2023年の「第95回アカデミー賞」助演男優賞を「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」で受賞し、プレゼンターを務めたハリソン・フォードと交わした熱いハグも話題となった。ウィリー役のキャプショーは1991年にスピルバーグ監督と結婚している。

本作の見どころもやはりアクションシーンだろう。“聖なる石”の発掘現場からトロッコに乗って3人で脱出を試みる場面のスピード感とスリリングさは、ハラハラを通り越して爽快さを感じさせてくれる。ウィリーが歌っていたナイトクラブの名前が“オビ=ワン”だったり、“スター・ウォーズ”ファンにはうれしいちょっとした小ネタも。「レイダース」でも、ジャングルからインディが脱出する水上飛行機の機体番号が「OB-CPO」というオビ=ワンとC3-POを融合させたものだった。