――休みはほとんどなさそうですが…プライベートのおでかけとかされますか？
「時間があるときによく行くのはショッピングモールやアウトレットモールですね」
――あれ、モノがないのに買い物するんですか？
「そこに来ているお客さんを見るのが好きなんです。ショッピングモールにいるお客さんって、みんな幸せそうな顔しているじゃないですか。あと、お客さんの服装も見ます」
――服装？
「今日の天気だったらこれくらいの服装かぁとか、若い子の今年の流行はゆったりしていて、風通しのいい服なんだなとか。そういうところを見るんです」
――やっぱり天気の話になってきましたね。
「いやいや、天気のことを考えているのは僕だけじゃないんです！ だって店員さんだって『今日は寒いですね』とか『雨に降られませんでしたか』って、天気の話をするじゃないですか」
――店員さんの場合は挨拶というか…。
「先日も店員さんに『今日は天気がいいですね』って言われたんですけど『でも、上空に寒気が来ているので、この後雷雨になりますよ。それに～』とか話していたら、レジに列ができちゃって」
――『いい天気ですね』『そうですね』でいいじゃないですか…。
「天気の話を振られると軽く流せないんですよ。雨の日に買い物して店員さんに『雨が降りそうですね』とか言われると『そうですね、上空500hPaのマイナス〇度の寒気が入っていますが、あと数時間は大丈夫ですよ』とか、『雨が降っているので袋にビニールかけますか？』と聞かれたときも『あと30分で晴れるんで大丈夫です』って言ったら不思議そうな顔されて」
――接客している相手が気象予報士だとは思わないですからね。ショッピングモールに行って観察するだけで買い物はしないんですか？
「もちろん買うこともありますよ。買う時のポイントは、流行っている服です」
――流行の服ですか。ちょっと意外です。
「流行の服がどういう体感なのかをチェックしたいんです。天気予報のときに、どんな服装で出かけるのがいいかアドバイスもしますから。たとえば、2022年夏は肩が落ちてぶかっとしている服が流行でしたが、そういう服は風通しがよくて着心地がいいな、とか」
――やっぱり仕事第一。
「女性の服もずいぶん研究しました」
――えっ？
「服装をアドバイスするとき、女性の服に関する知識もあったほうがいいな、と思って。例えば風が強い日は髪をまとめた方がいいとか、スカートはタイトな方がいいとか、男性ではなかなか思いつかないことも多いじゃないですか」
――たしかに、男性ではそこまで考えないですね。
「だから女性の服もよく見て、どんな形があるか、そんな素材かなども勉強しています。リモートの打ち合わせで若い女性スタッフに『キャミソールはどんなときに着ますか？』と聞いたときは、『キモイです』って返されましたけど…（苦笑）」
――仕事熱心さが裏目に（笑）。一週間本当に天気漬けで睡眠時間も平均3時間くらいですよね。ずっとこんな生活なんですか？
「今のような生活になったのは2018年からですね。それ以前は3年間、関西テレビの番組に出演していました」
――関西でもハードな生活でしたか？
「いえ、むしろ、人生で一番規則正しい生活をしていました。デビュー2年目の2014年秋に、会社から『地方に行ってみないか？』と打診されて。ウェザーマップは地方にも勢力を広げようとしていた時期で（笑）『関西テレビの前には、ハンバーガーショップが3つあるからいいじゃないか』と言われまして、それもいいな、と」
――ハンバーガーが決め手！ それから三年間、関西テレビに出演していたんですね。
「お昼の天気を担当していたので、8～9時に局に行って、20時には帰宅していました。その番組ではウェザーマップの先輩が夕方の天気予報をしていて、その方は関西では誰もが知る方なんですが、その人のサポートもしつつ、あたらめて天気のことをみっちり勉強をさせてもらいました。この３年間が、今の僕の天気予報のベースになっていると言っても過言ではないです」
――そして2018年に東京に戻ってきたと。
「はい。ただ、番組が決まったから東京に戻ったわけではないので、またまっさらな状態からのスタートで。そうしたら、ありがたいことに、事務所が仕事をかき集めてくださいました。結果、まったく休みがない状態になっていまい、65kgあった体重が1年で47～8kgまで落ちちゃって（笑）。『ZIP!』に出始めたときが一番痩せていた時期で、今はよく太ったと言われるんですが、戻ったんです（笑）」
――1年で15kg以上も減った！
「今思えば、ハンバーガーの量が足りなかったのかな～って」
――そういう問題ではないと思います！笑
取材・文＝高橋ダイスケ
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