【漫画】前髪の長さは自信に比例する?10代ならではの複雑な感情をリアルに描いた漫画が「最高にロックで面白い」「目頭が熱くなった」

2023/06/06 18:30 配信

芸能一般 インタビュー

“学校では一番”と自負する主人公だが…小野寺こころさんの『前髪の長さは自信に比例する』が話題(C)小野寺こころ/小学館

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、作者・小野寺こころさんの『前髪の長さは自信に比例する』をピックアップ。

少年サンデーS(小学館)に過去読み切り掲載された本作。音楽を愛する女子高生たちを主人公に、周囲から向けられる目や劣等感など10代ならではの複雑な感情を描いた青春物語として話題を集めている。作者の小野寺さんが4月26日にTwitterに投稿したところ、3.1万以上の「いいね」が寄せられ反響を呼んだ。この記事では、小野寺こころさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについてを語ってもらった。

見た目や性格は正反対ながら互いに感化され…女子高生2人の熱い青春物語

『前髪の長さは自信に比例する』より(C)小野寺こころ/小学館


高校の音楽科に進学した富士田は、上級生から噂されるほどの美人で歌も上手く、“この学校で自分が一番”だという自信を持っていた。ある日、文化祭でライブをすることになり、担任から「中野と組んでやってくれないか」と頼まれる。中野はクラスメイトながら“ぼっち”で声も小さく、いつもギターを持っているだけの周囲から浮いた存在。そんな中野を自身の“引き立て役”にしようと考えた富士田は、2人で組むことを快く引き受ける。

曲決めの際、富士田がギターを弾きながら歌ってみせると、聴き入っていたクラスメイトたちから称賛され、撮った動画をネットにアップしようと言われる。その言葉に顔が引きつり、なんとか理由をつけて拒む富士田。そんなやりとりを中野は遠くから眺めていた。

その後、友達から「文化祭での発表の参考にライブに行こう」と誘われた富士田は、乗り気じゃないながらも仕方なく付いていくことに。始まる前に抜け出そうとしたのも束の間、バンドボーカルとしてステージに立っているのが中野だと知り、驚く。中野も客席の富士田に気づき、ステージから降りて近づくと観客の前で「自分の憧れ」だと声をかける。“見下された”と感じた富士田は、中野の顔に勢いよくジュースをぶちまけるとその場から逃げ出してしまい…。

心の中では劣等感を抱き批判されることを恐れる富士田と、自信がなさそうに見えて批判を恐れず発信する中野。正反対ながらも互いに感化され、文化祭でのパフォーマンスを成功させる2人の姿が描かれた本作。10代ならではの複雑な感情描写も反響を呼び、Twitter上では「最高にロックで面白い」「熱い青春物語」「目頭が熱くなった」「キャラに心が宿ってる」「ライブの迫力も伝わる良い作品!」「友達に感じる気持ちがリアルで凄い同感できた」などのコメントが寄せられ、話題を集めている。

感情をギチギチに入れた“見開き”が大迫力 作者・小野寺こころさんが語る創作の背景とこだわり

『前髪の長さは自信に比例する』より(C)小野寺こころ/小学館


――『前髪の長さは自信に比例する』を創作したきっかけや理由があれば教えてください。

おでこを出すような髪型をする人は自信家、前髪で目元を隠すような髪型をしてる人は自信がない。みたいなのを何かでみたけど、おでこがでるような髪型の人の髪の長さ自体は長いよな…?と考えていたのがきっかけです。

――富士田と中野、それぞれのキャラクターやビジュアルはどのように生み出されたのでしょうか?

描いた頃は傘をかぶったようなマッシュルームヘアが好きだったのと、上記のきっかけのままです。

――繊細な表情描写や迫力あるライブシーンも印象的な本作ですが、作画の際にこだわった点や「ここを見てほしい」というポイントがありましたら教えてください。

描いたのがもう5年前くらいだったと思うのですが、初めてデジタルでトーンを貼ったり、描いたことないギターなど描いて、今思えば資料集めや見て描くという意識が足りてなくておかしい部分も多いですが、やっぱり見開きのページの14、15pと28、29pは画面にギチギチに絵を入れててキャラの感情も自分の感情もギチギチでかっこいいです。

――本作の中で特に思い入れのあるシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

タイトルの真意がわかる20pがやっぱりお気に入りです。

――小野寺こころさんの最新作で、5月からサンデーうぇぶり(小学館)で連載がスタートした『スクールバック』も高校を舞台にした物語となっていますが、作品の見どころを教えていただけますか。

距離感の丁度いい用務員の「伏見さん」と大人に苦しむ高校生の話の中で、小指の爪くらいちょっとだけでもキャラも読者も自分も救われるようにストーリーを考えているつもりなので、安心して読んでもらえるとうれしいです。

――最後に作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。

体壊さない範囲で原稿がんばるので引き続き応援してもらえると嬉しいです。