――3rdライブツアーは、22年12月の宮城公演に始まり、14公演に及ぶ大規模なツアーでした。レッスンやリハーサルも含めて、9人で過ごす時間も多かったのではないかと思いますが、ツアーを通して絆が深まった・お互いをよく理解できた、と感じた出来事・会話・言葉について教えてください。
3rdライブツアーが終わってから初めての生放送で、2期生ののんちゃん(鈴原希実)がわたしのポニーテールを掴んだシーンがあったんですよ。わたしがふざけてて、いつもだったら岬 なこちゃんが止めに入る役なんですけど、なこちゃんがちょっと離れていたので、わたしを止められるのが位置的にのんちゃんしかいなくて。「どうやって止めるのかな～」と思っていたら、わたしがポニテを振り回していたところをスパっとポニテを掴んで阻止するということをされまして(笑)。多分3rdライブツアーの前だったらこんなことはできていなかっただろうな、と思うんです。リリースイベントなどもあったんですけど、ちょっと遠慮というか、わたしが1年先輩ということもあって、どこまで突っ込んでいいのか、毒舌な対応をしていいのかというのを彼女は悩んでいたんですよ。でも3rdライブツアーを通して「もっとこうしていいよ！」という話をしていたら、この“ポニテを掴む”という技を習得しました(笑)。
――結構踏み込んでますね(笑)。
そうなんですよ(笑)。生放送で話題になったんですけど、実は他のところでもやっているんです。3rdライブツアー中にトロッコで移動するところがあって、その時にのんちゃんと一緒だったんですけど、さりげなくわたしのポニーテールを掴んでいる、みたいな(笑)。配信がない公演もたくさんあったので、そういう時にあえてやるんですよ。だから映ってないんです(笑)。
――それはもう彼女なりの遠慮というか、奥ゆかしさなんですかね。
そうですね(笑)。現場にいる人にしかわからないという。そういうところだったり、ふざけることが増えたかな、いい意味で。それはやっぱり3rdライブツアーを通してたくさん一緒にいたからこそできるようになった、遠慮のないLiella!なんじゃないかなと思っています。
――この間絵森 彩さんの取材もしたんですけど、絵森さんも彼女のことを話していました。
やっぱり、のんちゃんって柔らかいイメージがあると思うんですけど、でも実はめちゃめちゃ毒舌でおもしろくて。「〇〇ですぅ～」ってかわいい系かと思いきや、「えぇ!?」と思うくらい毒を吐くときがあるんです(笑)。そういったギャップをどんどん出せているのかなと思いますね。
――3rdライブツアーが始まる前と完走した今とで、ご自身の内面に変化が生まれているとすると、それは何でしょうか。
内面の変化というと…3rdライブツアーが始まる前というよりは、2期生が入る前の5人の時の自分と今の立場がちょっと変わったなと思っています。5人の時はみんなもう全てが初めてのことだったので「どうしようどうしよう」となっているのを、わたしが笑わせて場を和ませることが多かったんです。今は2期生の大熊和奏ちゃんとか、何をしでかすかわからない子が入ってきて、そこで笑いを取ってくれるようになったので、わたしはちょっと周りを俯瞰して見られるようになったかもしれませんね。ひたすらボケ続けていたのが、今はそれがちゃんとできる子がいるので(笑)。「今誰がしゃべってないな、ちょっとそっちに振ってあげようかな」とか、そういうポジションになっているんじゃないかなと思います。
――『Second Sparkle』には、9人で歌う“私のSymphony ～2022Ver.～”が収録されています。埼玉公演でも”〜WE WILL!!Ver.〜”が披露されるなど“私のSymphony”は非常に印象的な楽曲でしたが、この曲の歌詞から、どんなことを受け取っていますか。
わたしはこの曲が一番好きなんじゃないかというくらい、本当にお気に入りの曲で、いつもこの曲を歌う時はメンバーのことを思いながら歌っているんです。3rdライブツアーでは、わたしはこの曲を途中から2階の一番端っこで歌うので、全員のことが見えるんですよ。だからほかのメンバーが歌っている時、顔は別の方向を向いていても視線の端で存在を感じていたり、「この子、今どんな感情で歌ってるんだろう」と考えながら聴いていると泣きそうになってしまうんです。
特にわたしが好きなのが、2番の「なんでもできそうなあの子も いつも笑い絶やさないあの子も 迷いながら 戸惑いながら きっと夢をみてる」というサビ前のフレーズなのですが「これはLiella!メンバー誰にでも当てはまる」と思っていて。やっぱり普段の生放送とかライブの時は明るく笑顔で、みんなを幸せにできるようにという思いで全員頑張っているんですけど、舞台を降りたらもう普通の女の子なので悔しかったら泣くし、「なんでできないんだろう」と省みて自分にできる最大限の努力をする子たちなので、それを知っているからこそ「無理しないでね」と言いたくなる。けど彼女たちが「もっと頑張りたい！」という気持ちがあるのもわかっているので、あえてそっと何も声をかけないとか、そういうことが増えてくると、この曲がめちゃめちゃ刺さってしまうというか(笑)。歌っている本人に「あなたのことだよ！」と言いたくなるような曲ですね。
――2期生の4人も今回の3rdライブツアーでそれぞれ乗り越えてきたことがたくさんあったと思いますが、彼女たちを見てきてどのようなことを感じましたか？
2期生が入ってきた時は初心を思い出させてくれたというか。今でこそライブツアーや色々なライブを何十回も経験させていただいて、そこまで「やばい倒れそう…！」とはならないんですけど、リリースイベントの時に本当に心臓がバックバクで冷や汗かいてるんじゃないかというくらい緊張している彼女たちを見て「わたしもこうだったな」というのを思い出させてもらったり。ステージに立ったらずっと手が震えているとか「よく考えたらわたしもこうだったな」とか。そこでその時の感情とかが一気にフラッシュバックして「この気持ちをずっと忘れたくない」と思っていたけど、楽しいことが続くと忘れてしまうこともあるので、初心を思い出させてくれるメンバーがいてくれてよかったと思いますね。
――ちなみに今青山さんがステージに立つ前はどんなメンタルなんですか？
今は「やってやるぞ！」という、どちらかというと自信があり、殻を被ってステージに立っています(笑)。
――緊張はもちろんあるけど？(笑)
もちろんありますけど、その緊張を見ている方にわからせないように、殻があってその中で震えている感じですね(笑)。