7月8日(土)より全国で順次公開される高杉真宙主演映画「逆光の頃」。原作「逆光の頃」は1988~89年に「コミックモーニング」で連載されたタナカカツキのデビュー作。日常と非日常、夢と現実の双方を行き来する少年のゆらめきときらめきが、京都の街を背景に描かれた名作だ。
古都、京都を舞台に主人公・孝豊(高杉)の幼なじみ・みことを演じるのは、今年10月2日(月)スタート予定の連続テレビ小説「わろてんか」(毎週月~土曜朝8.00-8.15ほか、NHK総合ほか)のヒロイン・藤岡てん役に抜てきされた、若手注目女優・葵わかな。京都弁初挑戦の苦労や撮影秘話など、ここでしか聞けない話を聞いた。
――改めて撮影を振り返っていかがでしたか?
監督がとても思い入れのある作品だとおっしゃっていて、(原作を)忠実に再現されたいという思いが強かったので、その世界観を壊さずにリアルな人間が演じることがすごく難しかったです。難しさを痛感した作品でしたね。
でも監督のこだわりが強かった分、その思いに引っ張られて進んでいきましたし、監督が「一緒に作っていく」と思ってくださる方だったので、相談しながら演じました。
特に京都弁の練習は、ラストシーンの前日まで付き合ってくださって。京都らしい京都弁を出すのはとっても難しかったのですが、監督が諦めない方だったので私たちも頑張りました!
――みことにどのような印象をお持ちですか?
みことは男性目線というか、孝豊目線で描かれている女の子だと思うので、女性から見るとあまり現実味のない子だなって思いました。人間っぽさを感じないというか、孝豊が理想とする女の子だからなのかもしれませんけど。
普段は自分と似た体験を思い出して、「こんな感じかな?」って実感をつかもうとするんですけど、今回はそういうことをすると“人間っぽさ”を出してしまう気がして、逆にしない方がいいのかなって思いました。
ただ演じるからには、私が演じるみことでありたいっていう思いもあって悩んだんですけど、でも私から見たというより、孝豊から見たみことという方がいいのかなって思って。そう思えたら後半は楽しく演じられました。
――お父さんを迎えに行くシーンでは、愛あるツッコミを入れていましたが、実際に葵さんとお父さんとはどんな関係ですか?
仲良しですけど、でもあんなふうにたたいたりはしないです(笑)。
でもみことのようなしっかり者じゃないし、お父さんを迎えに行くような“お姉さん的”な感じとか、「こんな子いるのかな?」って思いました。
――夜の学校のシーンはいかがでしたか?
なかなか夜の学校に行く機会ってないので、新鮮で面白かったです!
夜の学校で(警備員さんから)隠れたりして、「かわいいなー」って感じですよね。自分の高校時代にもあんなことがあったら良かったのになって思いました(笑)。
――“青春”がテーマの作品ですが、“青春”を感じられましたか?
全体的にせりふが少ない作品で、伝えたいことを言葉で言っていないことが多くて。でもそこがすごくすてきだなって思って。誰かが孝豊に明確なアドバイスをしたわけでもないし、言葉じゃなく空気で伝えていて。
全て言葉で表現するのではなくて、肌で感じるというか、そういうところがキャラクターにも出ていて、青春を感じたというよりは客観的に「こういう感じいいなー」って思いました。
――現在、「連続テレビ小説『わろてんか』」の撮影でも関西弁を使われていると思いますが、やはり方言は難しいですか?
難しいです。イントネーションはもちろんなのですが、話すスピードから言葉のテンポ、ちょっとしたのび伸び具合まで。その感じをつかむのが大変でした。
それに、撮影と撮影の間が半年くらい開いていたので、京都の言葉に慣れてきたと思ったらまた東京に帰って。東京から久しぶりに京都に戻ったとき、せりふは覚えていてもニュアンスを思い出すのが難しかったですね。
――ご自身の高校生のころと共通点はありますか?
今もそんなに変わってないのですが、でも高校生のころは進路とかいろいろ悩みが多くて。それに、周りの女の子がどんどん華やかになっていって、私はそういう華やかさに付いていけなかったので(笑)。孝豊のように誰かをまぶしくみえるのは、誰にでもあることだと思うし、私もそうだったと思います。
――高杉さんと共演されていかがでしたか?
すごく真面目で、周りの方に気を遣ってくださる方でした。でも撮影が進むにつれて、
真剣になると作品に入り込む方なんだなって思って。私は考え込んでしまうところがあるので、そういう自由な感じがうらやましくも感じました。
みんなすごく仲の良い撮影現場だったので、ほとんど毎日夜ご飯を一緒に食べて、役のこととかお芝居のことを話していました。今まであまりそういうことがなかったので、すごく刺激になりました。
――葵さんが一番好きなシーンはどこですか?
紅葉の下を歩きながら、みことが孝豊に「なんでそんなに疲れてるの?」って話し掛けるシーンですね。景色もきれいだし、ほんのちょっとずつなんですけど、2人の距離が縮まっている感じも好きです。
――現在とってもお忙しいと思いますが、もしこの夏お休みがあったら何をしたいですか?
京都の街がすごく好きで、この撮影を通して京都の魅力を知ることができたので、カメラを持って京都らしい景色を撮りに行きたいです。カメラは趣味というか、これから慣れていこうと思います!
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)