清水が自分の情報をSNSで拡散するように指示したことで佐久良らもすぐに捜査に動いた。捜査陣の連携もよかったが、皆実が信頼を寄せたのはやはり心太朗だ。犯人のすきをついて吾妻が投げ捨てたハンカチにあった皆実のメッセージを汲み取り、事件を解決へと導いた。
それから1週間後、回復した皆実は研修期間終了を早めてアメリカに帰国することに。「空港までお送りします。この日を心待ちにしていました」と皮肉を言う心太朗に、皆実は心太朗の実父が本当にお金のために放火殺人をしたのかと疑問を呈した。それは心太朗を通して鎌田の姿が見えてきたからだった。
「この事件の裏にはもっと複雑な事情が隠されているはずです」と皆実。そして鎌田の動機が分かったとき、「護道さんは今よりももっとつらい現実を突き付けられるかもしれません」と言った。
そんな皆実に心太朗は「あなたは私を恨んでないのですか」と聞いた。子どもだったとはいえ、41年前の事件をみれば、自分たちの立場が真逆だからだ。それに対して皆実は「あなたこそが過去に縛られた男、ラストマンだったようですね」と返した。
心太朗は皆実も41年前の事件を調べようとしていることで「過去にひきずられている」と言ったが、皆実の胸にあったのは「前に進みたい」という思いだった。そのためにFBI捜査官となったのだ。だが、1人では無理があると、もう一度心太朗に「私の目になっていただけませんか」と申し出て、心太朗は受け入れた。
41年前に人生が大きく変わった2人。熱い思いを秘めている皆実と、揺れ動いた心太朗。皆実の意思があったとはいえ、引き寄せ合い、バディとしての相性は確かに良かった。冒頭とラストで繰り広げられた福山と大泉の2人芝居は、皆実と心太朗がそれぞれ41年間抱えてきたものと、これまでに築き上げられた関係性をしっかりと見せた。
最後に大泉がしばしば物まねする福山のいい声を、福山自身があえてする小ネタで締めくくるまで、福山と大泉による芝居の醍醐味(だいごみ)を味わえた。
真の意味が明らかになったタイトルが日本のみならず、世界のTwitterのトレンド1位を獲得。SNSには「ラストマン同士。過去に決着を。しびれるなぁ」「今日の脚本はしびれるねぇ」「胸熱展開」などの感想が上がった。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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