沖縄の深夜を盛り上げる人気番組の秘密とは!?

2017/07/06 15:29 配信

バラエティー

沖縄の深夜を盛り上げる出演者ら

沖縄の琉球放送(RBC)で毎週金曜深夜に放送されている「夜ふかしマングローブ」。個性的なお客様が来店し、店長や常連客とトークを繰り広げる同番組は、ローカル番組にも関わらず7.2%の視聴率を叩き出したこともある人気番組。今回は、沖縄の深夜を盛り上げる番組のロケ現場に密着し、人気の秘密を探ってきた。

同番組は、2017年1月に放送がスタート。仕事や趣味で“独自の世界”を持った個性的なお客様が、店長の空馬良樹や店員の宝眞榮日也美松田ゆうな、常連客のきいやま商店に対して、熱い思いや裏話を語るトークバラエティー。

番組ロケはスタジオでは無く、実際に営業をしているBARを借りての撮影となるため、早朝から夕方まで、1回のロケで4本撮りと、ハードスケジュールで進行していく。今回のお客様は、よしもと沖縄の芸人や口でリズムやビートを刻むヒューマンビートボクサー、ディスカウントショップの店員などバラエティーな人々が集まり、空馬店長らと楽しいトークを繰り広げた。カメラが回る前の“カチンコ”では、空馬店長が、お客様にまつわるギャグを披露しながら撮影が始まる。牛を育てる傍ら、フリーカメラマンとして自身が撮りためた闘牛の写真集を出版する“闘牛女子”からは、牛の顔のカッコよさについて熱弁されるも、呆気に取られてしまう店長ら。それでも、闘牛大会で見られる“決まり手”をレクチャーする場面では、きいやま商店が牛になりきって「押し」や「持たせ込み」などの技を披露し、番組は、大いに盛り上がりを見せる。撮影の合間には、スタッフや出演者がお客様と談笑するなど、笑い声が絶えることなく、ロケは進んでいった。

今回、ロケの合間に出演者に半年を振り替えてもらった。

――番組放送開始して半年が経ちました。今の心境をお聞かせください。

空馬:いろんな営業先で「観てるよ」と声を掛けてもらい、広く認知されてきた。今まで沖縄で(トークバラエティ―が)あまり無かったのでいい形で番組が認められているのかと。

松田:私も多くの人に声を掛けられ、認知度が高くなっているのを実感します。家族からも評判がよく毎週録画してくれているのがうれしい。

宝眞榮:お年寄りの人から「夜中に放送するのに面白くて、眠いのを忘れるぐらい観てしまう」という声をよくもらう。

空馬:一般の人に「私も(テレビに)出して」と言う人も多くない?

松田:私もよく言われます!

空馬:「一芸で耳ツボ持ってるから番組に出して」と(笑)。視聴者の中でも何か一芸を持っている人がいるなら、小ネタ集みたいな感じでやっていくのも面白いかな。

――今までのお客様で印象に残っている人はいますか。

宝眞榮:クイズ愛好会。個性派揃いの集団が沖縄にいるんだという驚きはありました。

空馬:自分たちの質問に対して(早押しボタンで)ピンポン!ピンポン!と答えてくれるのが面白かった。

松田:私が一番びっくりしたのは、ソルトコーディネーター。こんなに塩あった!?という驚きがありました。料理の件で何かあったらまた聞いてみたい。

空馬:沖縄で甲冑製作をしている人にはビックリした。その他にもチーズを作っている人もいたりして…。沖縄観光のリピーターは、ある程度、沖縄を知り尽くしていると思うのでこの番組で(ディープな)沖縄を知って頂きたいですね。

――お客様として来られるのは、テレビ初出演の人が多いと思いますが、緊張をほぐすコツとかはありますか?

空馬:自然な笑顔で迎えながら、話に興味を持つ事ですね。と言っても来てくれる方々は魅力的な人ばかりなので、自然と興味は湧いてしまいますが。それと事前打ち合わせのスタッフが素晴らしいと思う。打ち合わせ段階で緊張をほぐすことで、(番組を)楽しもうとしている雰囲気が出来あがっている。それがお客様の(自然な)笑顔とトークに直結しているかな。

――今後、どういう番組にしていきたいですか?

空馬:今までは店に来てもらったので、バスツアー形式で逆に自分たちから会いに行ってみたい。沖縄にはいろんな人がいるということをもっと知ってもらいたい。

宝眞榮:子どもから大人までもっとこの番組の興味を持ってもらえるようにすることと、海外の変わった人も呼んでみたい。英語はしゃべれないですけど…。

松田:沖縄の新たな発見につながる番組なので、そのスタイルは続けていきたい。沖縄をツアーしながら、いろんな場所に行って、いろんな人を紹介したいなぁとパッと思い浮かんで…。

空馬:いやいや、ちょっと!これは俺が言ったままじゃん(笑)。

常連客として出演しているきいやま商店は、当初、たまに出演する予定だったが、番組があまりに楽しく、本人たちから「毎回出たい」とスタッフに直談判し、今では番組を盛り上げる欠かせない存在となっている。「沖縄の知らないこともあるので驚くし、今回あった闘牛の話も聞いていて、すごい興味を持った」という3人。「台本もそんなに用意されていないので、本当のお客様のように見ている感じ。たまに空馬店長からムチャぶりもされるけど…」とロケを楽しんでいた。

放送作家のハラコージは、今まで沖縄ローカル番組でやってこなかったものを模索した際、「実際に店を借りてBARみたいにやるのはどうだろう」と思いついた。この番組の雰囲気にあう店を探すため、スタッフらと20件以上リストアップして探しまわったという徹底ぶり。琉球放送の小濱裕プロデューサーは、番組名にもある「マングローブ」とは、海水が満ちてくる所に生えている多種多様な植物を総称して呼ぶ。このBARにも「マングローブのように個性あるさまざまなお客様が集まる店」という意味を込めて名付けた。

朝から夕方まで4本撮りで進められたロケは、無事に終了。お客様の自然な魅力を引き出すために、スタッフが入念に打ち合わせし、それをうまく引きだしている出演者らの連携は、1つの“チーム・マングローブ”として成り立っていた。今回のロケで集まった個性的なお客様の回は、琉球放送(RBC)で7月から順次放送される。