「スパイダーマン」シリーズの最新作、アニメーション映画「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」が6月16日に全国の劇場で公開された。スパイダーマンとして成長する少年マイルス・モラレスを主人公に、多次元で活躍するスパイダーマンたちが集結した世界が描かれるこのシリーズは、2019年に公開された「スパイダーマン:スパイダーバース」に始まり、公開中の「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」と2024年公開予定の「スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース(原題:Spider-Man: Beyond the Spider-Verse)」へと続く3部作になっている。「―アクロス・ザ・スパイダーバース」は、単体で見ても楽しめるが、前作をおさらいしてから見たほうがより世界観を理解できるはずなので、あらためて振り返ってみたいと思う。(以下、前作のネタバレを含みます)
「スパイダーマン:スパイダーバース」は、2019年3月に全国公開(アメリカでの公開は2018年12月)されたCGアニメーション映画。マーベル・コミックの漫画を原作とする「スパイダーマン」の映画としては初のアニメ作品となり、「第91回アカデミー賞」で長編アニメ映画賞を受賞している。
「スパイダーマン」の主人公といえばピーター・パーカーというのは誰もが知るところだが、本作の主人公はニューヨークのブルックリンに住むマイルス・モラレスという名の高校生。父親は警察官で厳格な性格をしていてとっつきにくい感じだが、叔父のアーロンは父親とは正反対の性格でマイルスも慕っている。壁にグラフィティを描くのが好きなマイルスはアーロンに「いい場所がある」と連れて行ってもらった高架下で、突然変異したクモにかまれてしまう。
その時は何も変化を感じていなかったが、翌朝起きたらズボンが小さく感じたり、頭の中の声が大きくなっていたり、汗が異常に出たり、動きがスローモーションになったり、いろんな異変が起こった。転校生の女の子に触れた時、彼女の髪が手にくっ付いて離れない…という事件が起こり、さすがにマズイ状況になったことを悟る。
手にいろんな物がくっつくようになったり、壁を歩けるようになったりしたマイルスは信じたくないという気持ちを持ちつつも、自分が特殊な能力を得たことを自覚する。
こんなことになった原因の“クモ”を探しに駅の地下道に入っていくが、そこでキングピンとグリーン・ゴブリンたちが加速器を使って異次元の扉を開く実験をしているところを目撃してしまう。スパイダーマン=ピーター・パーカーもそこにいて実験を阻止しようとするが、キングピンに殺害されてしまった。亡くなる前にマイルスに装置を壊すことのできるメモリースティックを託して。
そう、このシリーズはピーター・パーカーの突然の訃報から始まる物語だ。ニューヨーク市民が悲しみに暮れる中、メモリースティックを託され、スパイダーマンの能力を身に付けたマイルスが新生スパイダーマンとして意志を継がねばならなかった。意を決して訓練を始めるが、託されたメモリースティックを壊してしまうという大きな失敗をしてしまう。
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