【漫画】鏡に亡き兄の亡霊が…成仏できない“まさか”の理由に「真実がわかったときの衝撃がすごい」の声

2023/06/22 18:30 配信

芸能一般 インタビュー

鏡の中から鋭い視線を向ける兄…鈴野スケさんの『鏡兄弟』が話題(C)鈴野スケ/小学館

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、作者・鈴野スケさんの『鏡兄弟』をピックアップ。

少年サンデーS(小学館)に過去掲載された読み切り漫画で、鏡の中に存在する亡き兄と残された弟の物語を描く本作。作者である鈴野さんがTwitterに2度投稿したところ、あわせて9.3万以上(2022年3月9日に8.1万、2023年5月10日に1.2万)の「いいね」が寄せられSNS上でも話題を集めている。この記事では鈴野スケさんにインタビューを行い、創作の背景やこだわりについてを語ってもらった。

兄が鏡の中に棲みつく理由に“衝撃” 兄弟の絆を予想外の展開で描く

『鏡兄弟』より(C)鈴野スケ/小学館


大豪邸に住む弟は年の離れた兄がいたものの、弟が生まれて間もなく13歳にして亡くなってしまう。しかし、成仏できない兄の亡霊はいつの間にか鏡の中に棲みつくようになっていた。

その姿は両親には見えず、鏡の中の兄からいつも鋭い視線を送られる弟。目が合えば「この家から出ていけ」「お前のことなんか誰も愛してない」などと嫌味を言ってくる兄に、弟は“生きている自分のことを妬んでいるんだ”と感じていた。

そんな中、弟自身も13歳の誕生日を迎える。夜になぜか館の広間で目を覚ました弟は、両親から誕生日を祝福され喜ぶも「今から死んでもらう」と父親から突然ナイフを向けられる。そこで明かされる真実を知り、「誰にも愛されてなかった」「兄さんの言う通りじゃないか…」と涙する弟。すると、壁に掛けられていた大きな鏡に兄が現れ、弟に予想外の言葉をかける…。

13歳で亡くなった兄の嫌味な態度に潜む真実と、兄弟の絆を描く本作。8ページという短い物語ながら読者の予想を裏切る展開が話題を集め、SNS上では「不意打ちで切なくなった」「真実がわかったときの衝撃がすごい」「兄弟愛に泣ける」「涙なしには読めない…」「グッときた」などのコメントが寄せられ、反響を呼んでいる。

“8ページ”、“兄弟”という制約で世界観を築き上げ 作者・鈴野スケさんが語る創作背景とこだわり

『鏡兄弟』より(C)鈴野スケ/小学館


――『鏡兄弟』を創作したきっかけや理由があれば教えてください。

サンデーSで開催されている8ページ読切企画を描くことになったのがきっかけでした。お題が出て数名の作家さんが参加する企画です。お題が兄弟だったので、兄弟の片方が先に死んでる時系列別々の漫画を描いたら楽しそうだなと思って描きました。

――本作を描くうえでこだわった点や「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。

「鏡の中でしか生きられない兄が、その鏡を割ることで弟を助けられる」仕組みです。一石二鳥といいますか、それがあったからこそ8ページに収まったので、こだわりです。

――本作の中で特に思い入れのあるシーンやセリフはありますか?

鏡が割れる直前に兄が「世話の焼けるやつ」と言うシーンです。表情を上手く描くのは苦手なのですが、ちょっと悲しい笑い方が、私にしては上手く描けた方だと思っているからです。

――5月から新しくスタートした鈴野スケさんの連載作『冥天レストラン』(小学館)では、ヒューマンドラマを交えたグルメファンタジーが早くも話題となっています。作品の見どころを教えてください。

ヒロインが上半身服を着てないのが珍しくておすすめです。

――鈴野スケさんにとってキャラクターや物語を生み出すにあたってのこだわりや、特に意識している点がありましたらお教えください。

たくさんの一面があることです。一つのキャラでもON OFFみたいなのがあると描いていて楽しいので、自分のためにそういうキャラクター作りを目指しています。

――最後に作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。

たくさんの漫画の海から私の漫画を見つけてくれてありがとうと伝えたいです。世の中には凄い漫画が沢山あるのに、それでも私のところで少し足を止め、そんな気持ちになってくれる人がいるなら、その出来事は人生の宝物です。