――エリックを演じていて感じたアリエルの印象は?
すごく素直なところがエリックにとって新鮮だったのだろうなと。野性味あふれているところもすごくチャーミング。花を食べちゃうシーンはかわいいですよね。馬を駆るシーンも天真らんまんで、新しいものに触れている時のキラキラした瞳が印象的でした。
それと、実写版ではアリエルとエリックが恋に落ちていく過程も丁寧に描かれています。アリエルはしゃべらないけど、2人の間で通じ合っていくものがある。アフレコの時は、少しずつ明かりがともっていくような恋模様を大事にしながら演じていました。
――アリエルと出会ったことでエリックの運命は大きく変わりますが、海宝さんにとってのターニングポイントは?
やっぱり「ノートルダムの鐘」に出演したことは俳優としても歌い手としても大きな転機でした。ディズニー作品ではあるけれど、重たくてダークなテーマを真正面から扱っている作品。アニメーション版ではハッピーエンドですが、舞台版は悲しい最後を迎えます。
僕が演じたカジモドは肉体的にも精神的にも大変なキャラクター。でも、歌や肉体を操る技術を鍛えてもらったなと強く感じています。
それと、作曲家のアラン・メンケンさんとお会いすることができて本当に良かったなと。彼が手掛けた「美女と野獣」という作品があったからこそ、俳優をやっているといっても過言ではありません。「あなたがいなかったら僕はここにいない」と、直接お伝えできた時はすごくうれしかったです。
◆取材・文=小池貴之
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