誰もが戦々恐々としている状況の中で、ある人物が動き出す。MI6エージェントのソーニャ(オリビア・コールマン)だ。ロシアの諜報員に連れ去られたアメリカ人活動家を追って、彼らの隠れ家である精肉店にひょうひょうとした様子で現れたかと思うと、電話一本で男どもを追い出し、たった一人でテロリストを尋問。
ニヤリとしながら指を切り落とし、スクラル人であることを確認すると血液を160度まで上昇させる液体を注射して、情報を引き出し、あっという間に精肉店から脱出してしまった。グラヴィクらも居場所を突き止めて救出に向かっていたが、後の祭り。ソーニャは何らかの情報をつかんで姿を消していた。
フューリーはソーニャの家に隠しカメラを仕掛けているため、今後、彼女がつかんだ情報を知る可能性もあるが、戦力不足は否めない。「S.H.I.E.L.D.」時代からの右腕マリア・ヒル(コビー・スマルダーズ)を失い、タロスと口論した今、フューリーは単独で動くのか。クビを宣告された際、ローズ大佐に強気で食ってかかったフューリーだが、実際のところは…。
ちなみに第1話のラストで撃たれたヒルについてだが、第2話を見るまで“本物のヒル”は生きているかも、と一縷の望みがあったものの、ヒルの母親が認めているので“本当に”死んでしまったようだ。残念でならない。
今作は毎話、最後のワンシーンに驚きの展開がインサートされるようで、第2話ではフューリーがスクラル人の女性が暮らす家に向かった。すると次の瞬間、彼女は人間の姿になり、フューリーに結婚指輪をはめることを要求。フューリーはスクラル人と結婚していたようだ。部屋には人間の姿をした彼女の大きな絵が飾られているが、果たしてフューリーは彼女がスクラル人であることを承知しているのか? 次回第3話では、そこにも注目したい。また、グラヴィクやタロスの娘・ガイア(エミリア・クラーク)らが暮らすロシアの村の奥で、ダルトン夫妻なる科学者が研究している“何か”の正体も気になるところだ。
今作は全6話のため、残りはわずか4話。フューリーは誰が味方で誰が敵か分からぬ状況の中で、人類だけでなく、スクラル人をも救うことはできるのか、彼自身の運命は?「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」史上、最もスリラー好きを唸らせる一作になりそうだ。
ドラマ「シークレット・インベージョン」は、毎週水曜昼4:00よりディズニープラスで独占配信中。
◆文=及川静
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