【漫画】目は口ほどにものを言う。放置された販売機ロボを気にかける旅人の優しい言葉に「みんながこうなれば平和なのに」

2023/07/07 10:00 配信

芸能一般 インタビュー

赤鼻の旅人のおかげで辛い状況から解き放たれた販売機ロボ画像提供/ぴえ太さん

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回取り上げるのは、主にTwitterで創作漫画を投稿しているぴえ太さんの1作『うだる』だ。

ぴえ太さんはこれまでに赤鼻の主人公が旅をする「赤鼻の旅人」シリーズという作品を描いており、今作の『うだる』でも赤鼻の旅人が登場。雑な扱いをされている販売機と旅人との心温まる様子が好評だったようで、同作を記載した6月13日のツイートには8000件ほどの「いいね!」が集まっている。

猛暑にじっと耐える販売機…それに気づく赤鼻の旅人の優しさ

『うだる』(1/12)画像提供/ぴえ太さん

炎天下の中、目的地に向かって歩く赤鼻の旅人。工場地帯に差しかかると、古い型の飲料販売機を見つけ、たまらずに水1本を購入する。その販売機というのは上部にある1つの目で相手を認識し、お客が飲み物を購入すると音楽を流してくれる。

購入した水を飲んでいた赤鼻の旅人はどことなく販売機に違和感を覚え、「大丈夫かい?」と本体に触れたところ、日に照らされ続けていたため、本体が異常なまでに熱くなっていることに気づく。

販売機が危険な状態であることを察した旅人は近くの工場で働いている人を見つけ、「この熱さで調子が悪いみたいで…」と販売機の状態を確認してもらうようにお願いする。

しぶしぶ確認しにきた工場の人が販売機の本体を触り、あまりの熱さに驚いて、応急処置として水をかけながら「整備士に連絡せにゃあな」とつぶやいた。

旅人に「よく気づいたな」と問いかけると、「わかりますよ」「目を見れば なんとなく、ね」「この子 我慢して頑張りすぎちゃうタイプかも」と言葉を返す旅人。その言葉に反応したのか、突如として販売機から音楽が鳴り始め、本体の下部にある引き出しが開き…。

販売機に対する旅人の振る舞いに対し、ネット上では「旅人が優しすぎて素晴らしいね… 水をかけられて嬉しそうな販売機も愛おしい」「みんな旅人の優しい気づきがあれば平和なのに」といった反響が続出。作者であるぴえ太さんに、同作を描いたキッカケやこだわった部分について話を伺った。

『うだる』のテーマは「目は口ほどにものを言う」

『うだる』(9/12)画像提供/ぴえ太さん

――「うだる」を創作したきっかけや理由があればお教えください。

漠然とですが、物言わない機械を助ける話を描きたいと考えていました。別の日に用事で出かけたときに自転車に乗ろうと思ったら、サドルが直射日光でものすごく暑くなっていて驚いたんですが、それをお話に組み込んだら面白そうだと思って描いたのが『うだる』です。

――描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあれば教えてください。

この話は「目は口ほどにものを言う」というテーマにありますので、こだわったのは表情や目元です。

――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

個人的に気に入っているセリフは、「わかりますよ 目を見れば なんとなく、ね」というところです。道化師の主人公も同じ笑顔を人にみせる仕事なので、販売機の気持ちが痛いほどわかるという感情を込めたセリフは主人公らしさが出ているんじゃないかと思っているので、気に入っています。

――『赤鼻の旅人』シリーズは、どういった経緯で描き始めたのでしょうか?

赤鼻の旅人は、道化師やファンタジーものが好きだったので、それらをあわせて物語を作りたかったのが始まりです。描いているうちに主人公のキャラをもっと掘り下げていきたくなって赤鼻の旅人を描き続けています。

――個人的には“言葉を発せない販売機の辛い状況を察する”という場面に心を打たれましたが、同作を通して読者に伝えたかったことを、ぜひ教えてください。

平気そうに見えても、無理してるかもしれない。そんな風に、物でも人でも相手を内面まで思いやったり、考えたりするきっかけになったら良いなと思って描きました。

――物語に登場する販売機には、何かモデルとなったものはあるのでしょうか?

ジュークボックスです。あの丸いフォルムとレトロ感が好きで参考にしました。

――今後の展望や目標をお教えください。

お話をまとめるのが苦手で遅筆になってしまうので、早く描けるようになるのが目標です。

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!

いつも漫画を読んで頂き本当に感謝しています。赤鼻の旅人はまだまだ描きたいお話があるので、これからも皆様にお見せできるように頑張ります!よろしくお願いします!