――2022年11月に行われた周年記念ライブで卒業を発表した際には「頼りになる後輩たちの姿を見て卒業しても大丈夫だと思えた」と話していました。裏を返すと、頼れるようになるまで卒業を待っていたのかなとも捉えられます。
なんとなく、10周年を迎えるまでは続けたいなとは思っていたんです。でも、10周年を過ぎてからは、フロントで引っ張ってくれたメンバーとかがどんどん卒業をしてしまったので、後輩もすごく不安じゃないですか。流れで私も卒業することもできたんですけど、もう少しだけ見ておこうかなって気持ちも芽生えてきたんです。
後輩がどんどん成長しているのも、しっかりしていくところも見ていたので、私がいなくなったらいなくなったでできるんだろうなとは思っていたんですけど。それでも少しだけ私が見守って、それで大丈夫だと思ったら私も卒業しようって決めました。
それに、自分のやりたいこともなんとなくあったんですけど、私は曖昧なまま一歩進めないタイプで、やりたいことを確実にできるようにしてからにしたいなって考えもあったので。それから、今なら大丈夫だろうということで卒業に至りました。
――後輩のどういうところを見ていたんでしょう?
劇場での公演だと内々だから何をやっても基本的には許されるんですけど、コンサートやイベントだと大切なことがたくさんあるんです。やらなければいけないこととか、気を配らなければいけないところとか、そういう部分を見ていました。あとは、自分がどうやってステージに立っていかなければいけないとかも。
――お話を聞いていると、引っ張っていくというよりも、見守っていくタイプという印象ですね。
私、本当に前に出るタイプじゃないので(笑)。キャプテンになったときも、グイグイ引っ張っていくんじゃなくて、みんなで一緒に頑張っていこうねって感じでした。
――2022年12月に卒業した下野由貴さんとは1期生最後の二人でした。
二人でよく卒業について話していました。由貴ちゃんの卒業が決まったときは、こういうところまで卒業について決まったよとか、最近はこういうことを始めたよとか、事細かに。
第三者から見た意見って大事だと思うんです。自分一人で考えていたら、同じ考えがグルグル頭の中で回っちゃうというか、分からないことって一生分からないまま終わっちゃうので。そういうのを相談してみて、そういう考えもあるんだって自分に取り入れるってことをよくしていました。
――最後の一人として活動していたときは、プレッシャーはありました?
プレッシャーよりも、寂しいって気持ちのほうが大きかったです。同期だけにはずっと甘えてきたので、同期がいないってこんな気持ちなんだと思いました。卒業してもたまに遊びに来てくれたりするメンバーがいるんですけど、顔を見た瞬間涙が出ちゃうぐらい(笑)。
でも、自分も卒業が決まっていたし、キャプテンってこともありましたし、ずっと寂しがるよりも残っている後輩たちと楽しい思い出を作る方が大事なんだなって途中で気付いたんです。
何がきっかけなのかは覚えていないんですけど、後輩が「寂しい」って言ってきてくれたことがあって、それから「あぁ、この子たちとの思い出を作らなきゃ」って思うようになりました。それからは後輩の子とよく会ったりしゃべったりするようになって…なんか歳の離れた妹みたいでかわいいです。
――前向きになれたんですね。卒業することは一期生の皆さんには事前に伝えていたんですか?
同期で年下もいっぱいいるんですけど、みんな「おつかれさま。よく頑張ったね」って親のように言ってくれました。
一番うれしかったのは、村重から「HKT48をここまで守ってくれてありがとうね」って言われたことです。自分的には守っているというよりも、楽しい時間を過ごしたいって思っていただけなんですけど、そうやって言ってくれるのはうれしかったです。
さっしー(指原)からも「よく頑張ったね、おつかれさま」って感じのことを言ってもらえました。よく連絡させてもらっていたんですけど、フォトブックのコメントをもらうときも「よかったね!おめでとう!!」って祝ってくれたんです。