高橋海人“若林”・森本慎太郎“山里”の半生ドラマが終幕 視聴者の情熱あふれ世界トレンド1位に<だが、情熱はある>

2023/07/01 21:28 配信

ドラマ レビュー

情熱が溢れた2時間ノンストップの漫才を繰り広げた山里(森本慎太郎/左)と若林(高橋海人/右)(C)日テレ

ユニットコンビ「たりないふたり」として数々の漫才を生み出した、オードリー若林正恭南海キャンディーズ山里亮太の半生を基にしたドラマ「だが、情熱はある」(毎週日曜夜10:30-11:25、日本テレビ系)が、6月25日に最終回を迎え、放送当日は終了間際にTwitterのトレンド1位を日本、世界共に獲得。それから数日経っても、ドラマの感想や「ロス」の気持ちなどが毎日コンスタントに書き込まれ、視聴者の情熱はまだまだ消えていないようだ。(以下、ネタバレを含みます)

解散ライブは無観客


この作品は、若林と山里の半生を基にした青春サバイバルストーリー。“極度に人見知りな超ひねくれ男”(若林)と、“妬み嫉みの固まり男”(山里)、そんなたりない2人の友情物語でもないし成功物語でもないが、もがきながらも“情熱はある”人生を描いた「ほぼ実話」のドラマだ。

最終話の冒頭シーンは、第1話と同じ、2021年の「明日のたりないふたり」の会場。「たりないふたり」の解散ライブというメモリアルな公演だったが、コロナ禍のせいで無観客の客席に向かって2人は漫才をすることになっていた。

今日で山里(森本慎太郎)と、若林(高橋海人)と、「たりないふたり」として漫才をすることはもう無い。お互いに特別な気持ちを抱えながら、若林はプライベートのバスケでケガしたヒザにテーピングをし直して、山里に全力でツッコめるように気合を入れ、山里は控室の広さや位置が若林より悪条件じゃないのか、など、お得意の僻みを全開にして緊張を紛らわした。

「足りてる」側に行ってしまった?山里の結婚


2012年に「たりないふたり」が地上波の深夜番組としてスタートしてからこの解散ライブまで、2人それぞれに色々な変化があった。若林は大切な人との永遠の別れをいくつも経験し、山里は人気女優と結婚。この結婚について、山里は苦悩した。「モテない、たりない」の代表のように思って支持してくれているファンを裏切ってしまうのではないか、(世間のイメージ的に)足りてしまった自分は今までの芸風ではもう難しいのではないか、と恐れたのだ。実際、山里の深夜ラジオ「不毛な議論」で結婚報告をした際、「こわかった」と嗚咽しながら正直な気持ちを語っていた。

この不安でモヤモヤした想いを、2019年に5年ぶりに行われた公演「さよなら たりないふたり」で、山里は一気に晴らした。台本も打ち合わせも一切無しのぶっつけ本番での漫才を2時間ノンストップで繰り広げ、山里は後日のラジオ「不毛な議論」で、「1分1秒気が抜けなくてヒリヒリしたけど楽しかった!」と晴れやかな声で言い、「漫才って人間味みたいなものを皆に見てもらって聞いてもらったりする場でもあるんだな」と、熱く語った。そして、南キャンもオードリーもそれぞれ楽しいけど「若ちゃんと漫才やってると、頭がおかしくなっちゃうような高揚感で、すっごい幸せ」と振り返るのだった。

一方、若林も、もう喋ることがないほど全部出し切って、充実感でいっぱいだった。興奮が収まらない山里が飲みに誘ったが、「だからぁ、全部舞台上で喋ったんだってば」と、さっさと帰ってしまった。

若林と山里を組ませたプロデューサーの島(薬師丸ひろ子)(C)日テレ