<悪鬼>『二十五、二十一』のキム・テリが見せる、妖しくも美しい“もう一つの人格”「“あの時”のこと、覚えてる?」

2023/07/05 11:10 配信

ドラマ レビュー


1話序盤こそ明るくハツラツとしたキャラクターを見せていたサニョンだが、悪鬼に取り憑かれてからは表情が変化。悪鬼に乗っ取られている場面ではどきりとするほど妖しく美しいほほ笑みをたたえ、自分の中の悪鬼に怯える場面では、切実な涙を流す。今年33歳になったテリが、新境地といえる二面性を見せている。

サニョンとヘサンの信頼関係が癒やしに


別名“自殺者の木”とも言われた“トクタリの木”の言い伝えや、子どもを使った呪術“厭魅”、現代にも残る“人形送り”など、「悪鬼」には、韓国でかつてあったとされるおどろおどろしい風習がモチーフとして取り入れられ、恐怖を倍増させている。

そんな中、ストーリーに潤いを与えているのが、サニョンとヘサンの間に育っていく信頼関係だ。不愛想で“悪鬼”以外のことには無関心なヘサンと、そんなヘサンを当初は敬遠していたサニョン。2人がいつしか力を合わせ、新たな事実を突き止めていく展開は、憎しみや恐れの感情渦巻く「悪鬼」の世界観の中で、唯一の救いとなっていく。

そして、巻き起こる事件の真相をサニョンたちとは別のルートから追っていく、ベテラン刑事ムンチュン(キム・ウォネ)とエリート警部補ホンセ(ホン・ギョン)コンビの存在も効いている。あくまで人間の側面から事件に迫っていこうとする2人の存在が、かえって数々の死の異常さを際立たせていく。先輩・後輩関係にある2人のどこかコミカルなやりとりも、ドラマに癒やしを与えている。

4話までで、60年以上前に起きた恐ろしい事件の核心に迫りつつあるサニョンたち。「悪鬼」は韓国でも注目を集めており、2話にして早くも視聴率10.0%に到達したという。サニョン自身が悪鬼に取り憑かれ、異常行動を見せ始める中、悪鬼の正体にたどりつくことはできるのか――。さらに緊迫の展開が続く。

「悪鬼」は、ディズニープラスのスターで毎週金・土に1話ずつ独占配信中。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

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