「僕らにしか表現できないものを!」 テニミュ最新作、越前リョーマ役の阿久津仁愛(にちか)に直撃

2017/07/11 17:45 配信

芸能一般 インタビュー

「週刊少年ジャンプ」で連載されていた漫画『テニスの王子様』を原作とした、ミュージカル『テニスの王子様』(通称=テニミュ)。その最新作「ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 青学(せいがく)vs立海」が7月14日(金)より上演スタート。本作にて主人公・越前リョーマを演じる阿久津仁愛(にちか)に、テニミュの魅力、本公演の見どころ、上演を前にしての意気込みを聞いた。

【写真を見る】阿久津が演じるのは越前リョーマ撮影=広ミノル


リョーマ役に苦戦中!?


――阿久津さんは昨年12月~今年2月に上演された「ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 青学(せいがく)vs六角」より越前リョーマを演じられていますが、最初に出演が決まったと聞いたときはどう思われました?

受かったと聞いたのはオーディションを受けてからすごい時間が経った後で、「え!? ほんとに? ドッキリじゃない?」って(笑)。そう思うくらい待っている間が長かったので、嬉しいというよりは信じられなかったです。

――オーディションではどんなことを?

ダンスの課題があったんですが、習ったこともなく、技術的なことも全然わからないので、当日は表情を大事にしようと意識しました。踊っているときに、自分が楽しんでいるという姿を見てもらえたらなって。舞台も演技もダンスも未経験だったので、とりあえずやる気だけでもと頑張りました。

「原作を大事に役作りしている」と話す撮影=広ミノル


――そして全36公演を走り抜けました。公演を通して大変だったことは?

六角公演ではリョーマ自身の試合シーンはなかったんですけど、それでもやることに追われて稽古中はとくに余裕がなかったですね。リョーマは左利きなので、ラケットを振るのもダンスの振りも全部左、みんなと反転させなきゃいけないんです。それが一番苦戦したというか、今も苦戦してます(笑)。本番も最初の頃は、稽古でやっていたことすらも十分に発揮できなくて…。でもやっていくうちに、気持ちが作れるようになったり、すぐにそのスイッチのオンオフを切り替えられるようにもなったのかなと思います。

――ちなみに、原作はもともと知っていました?

お父さんが大ファンで、家に漫画が全巻あったんです。それの影響もあって部活もテニス部でした。リョーマはカッコよくて、ちっちゃいのに強い。強いから生意気でもキラキラしていて、本当に王子様なんだなって見ていました(笑)。それもあって、演じる上では何よりも原作を大事にしています。台本より読むくらい。何度も読み返して、ここではこんな表情している、ここで帽子を触るのはどういう意味があるのかというのを考えたりして。原作に忠実な役を作り上げたいと自分は思っているので、マンガを読む時間を大切にしてますね。

――そんな阿久津さんの思うリョーマ像とは?

リョーマは、カッコイイけど可愛いんですよ。中学生特有の可愛さとか、子供らしさがあるところにすごく魅力を感じています。なのでそういうところや、もっともっとツンツンしているリョーマを出したいですね。

稽古でいろんなことにチャンレンジ


「稽古でいろんなことを試していきたい」と語る阿久津撮影=広ミノル


――現在7月から始まる“3rdシーズン青学(せいがく)vs立海”公演の稽古が始まっていますが、順調ですか?

僕、覚えが悪いんですよ。昨日も怒られて(笑)。振付を教えてもらっているときに、ここはどういう意味があるのかを自分で感じとらないといけないんですが、覚えるのに必死で形だけで流してしまって。自主練やチームのみんなに聞いたりして頑張っています。

――芝居に、歌、ダンスと今、いっぱい、いっぱい?

なってます…。今回初めて僕が演じるリョーマの試合シーンがあるんですよ。そのラリーがすっごく難しくて。もちろん打球一つ一つ、ここはクロスで、ここはストレートでと、どこに来てどこへ打ち返すのかは決まっているんですね。そこにすごく苦戦しています。単純に「ここはこう打つ」じゃなくて、本当に試合をしているように、相手のセリフなどから気持ちを感じとって「こっちに打ってやる」とか、いろいろ覚えるために工夫しているところです(苦笑)。

――初舞台の前作よりは、余裕があるのかな?と思いますが。

前回の経験から、落ち着いて稽古をやることが重要だと思ったので、稽古をしっかりしようと意識しています。それと周りの意見もちゃんと聞くことが大切だなと。今回は稽古のなかで、意見を取り入れつつ、いろんなことを試していっている途中です。