<わたしの幸せな結婚>清霞の美しさに美世も視聴者も息を呑んだ 虐げられて育った少女の人生が動き出す

2023/07/06 10:45 配信

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アニメ「わたしの幸せな結婚」第1話が放送(C)2023 顎木あくみ・月岡月穂/KADOKAWA/「わたしの幸せな結婚」製作委員会

TVアニメ「わたしの幸せな結婚」(毎週水曜夜11:30-0:00、TOKYO MXほか、Netflix/ディズニープラスなどで配信)の第1話「出会い」が7月5日(水)に放送・配信開始となった。幼い頃から不遇を強いられてきたヒロイン・美世のシンデレラ・ストーリーが幕開け。誰もが彼女の幸せを願わざるを得ない初回の放送となった。(以下、ネタバレを含みます)

「わたしの幸せな結婚」とは


原作は、2019年より「富士見L文庫」(KADOKAWA)にて刊行されている顎木あくみ著、月岡月穂イラストによる同名小説。シリーズ累計700万部(2023年3月現在/コミック・電子を含む)を突破する人気作で、高坂りとによるコミカライズも「全国書店員が選んだおすすめコミック2021」で1位を獲得するなどの好評を得た。また、今年の3月には豪華俳優陣を迎え、目黒蓮(Snow Man)主演で実写映画化が実現。そんな話題作がついにアニメ化を果たす。

舞台となるのは、日本古来の美意識と西洋文明の流行が織りなすロマンの香り高い、明治大正を思わせる架空の時代。継母たちから虐げられて育った少女・美世(CV:上田麗奈)が、孤高のエリート軍人・清霞(CV:石川界人)と出会い、ぎこちないながらも、互いを信じ、慈しみ合いながら、生きることのよろこびを知っていくという、政略結婚から始まる和風シンデレラ・ストーリーが紡がれる。

一縷の希望も打ち砕かれる美世


「ずっとそう思って生きてきた。この世界に私は必要のない存在なのだと。あの日、あのお方と出会うまではー」

記念すべき第1話のハイライトは、美世と清霞の出会い。冷酷無慈悲で嫁いだものは皆逃げ出すと噂されている清霞との縁談をきっかけに、美世が息苦しい家から解放されるまでが描かれた。

歴史ある名家と思われる斎森家の長女として生まれ育った美世。しかし、19年の人生はお世辞にも幸せとは言えないものだった。継母の香乃子(CV:植田佳奈)と異母妹の香耶(CV:佐倉綾音)は美世を「要領が悪い」「斎森家の娘とは思えない」と見下し、実の父である真一(CV:家中宏)はそれを咎めようともしない。自分の家にもかかわらず、使用人同然の扱いを受ける美世の表情は暗く、沈んでいる。

けれど、彼女には一縷の希望があった。それは斎森家が懇意にしている辰石家の息子・幸次(CV:西山宏太朗)の存在。幸次は美世に好意を寄せているようで、彼女が置かれた現状を憂い、どうにか力になってあげたいと思っている。美世にとっても幸次は唯一心を許せる相手であり、彼といる間だけは自然と笑顔が溢れた。

だが、その希望もやがて打ち砕かれる。香耶と幸次の結婚が決まったのだ。辰石家との縁談話は以前より持ち上がっており、いずれその話が自分のもとにやってくるのでは……という期待が美世にもなかったわけではない。しかしながら、これまで不遇を強いられてきた彼女は、期待した分、叶わなかった時が余計に辛くなることを分かっていた。分かっていたはずなのに。同時に真一は美世に久堂家の当主・清霞のもとへ嫁ぐよう命令し、美世はそれを静かに受け入れた。