――新曲も収録されています。作詞が森雪之丞さん、作曲が伊澤一葉さんですが、今回このお二人と組まれた経緯は?
レコード会社のスタッフの方とどんな新曲がいいかディスカッションしている中で、作詞は森雪之丞さんがいいのではないかというお話が出まして。その後、森さんと話を進める中で森さんから伊澤さんのお名前が出てきたんです。森さんも一度、伊澤さんと組んでみたかったとおっしゃっていて。東京事変はずっと好きで聴いてきましたので、やっていただけるならぜひということでお願いしましたら、快く引き受けてくださって、嬉しかったですね。
――酒井さんには『碧いうさぎ』のようなメロウな曲のイメージがありますが、新曲は、なぜダンサブルなナンバーにされたのでしょうか。
伊澤さんの中に、私に対して『ひとつ屋根の下』の小雪のイメージが強くあったようで、最初に提案された数曲は、ちょっと切ないようなメロウな曲でした。それもすごくよかったのですが、私自身が、もし新曲をレコーディングさせて頂けるのなら、ダンサーを従えて、ステージで踊って盛り上がれるような曲を1曲持ちたいという思いがあって、贅沢にもリクエストさせていただきました。私はダンサーさんをリスペクトしていて、彼女、彼らがこの曲で振付したいと思うような曲があったら嬉しいということもお伝えしまして、クラブっぽいかっこいい曲が出来てきたんです。ただすごく難しそうなでこれにどうやって詞を付けるんだろうって思っていたら、ギリギリのタイミングでもう1曲できましたって提示されたのが『Funny JANE』。悩んだのですが、森さんも『Funny JANE』をメチャメチャかっこいいと気に入ってくださって、最終的にこの曲に決まりました。
――森さんとは32年ぶりのお仕事だそうですね。
そうなんです!前回の曲からそんなに時間が経っていたなんて驚きです。10代の頃、お仕事でご一緒させていただいた時は、本当にたくさんのアイデアをお持ちで、違う星から来た人ではないかと思うほどでした。おしゃれで、いつも黒い服を着てアシスタントの方を連れて現れて、打合せでも「ふんふん」なんて言いながら、すごい歌詞が出てくるんです。今回、30年の時間を経てお仕事させていただいて、インテリジェンスがあって穏やかであの頃と少しも変わらいないなと思いました。でもやっぱり月日は経っていますからさらに深みは増していて、さらに僕が作詞で関わらせてもらえるならちゃんと作らなきゃねって言ってくださって、本当に温かく接してもらって嬉しかったですね。
――レコーディングには森さんから歌い方などでリクエストはありましたか。
歌い方に対してどうこうはまったくなくて、いつも通り淡々と場を和ましてくれました。ただ、森さんが聴いてくださっていると思うと背中にイヤーな汗が流れて、緊張しちゃいましたけれど(笑)。今回もすごく温かく見守っていただきました。
――7月13日(木)にニコニコチャンネルプラスで『酒井法子公式チャンネル のりニコッ!』がスタートするほか、7月8日に行われた舞劇『令和源氏オペレッタ』、9月の『ごりょんさん』と舞台も続き、今年は新たなチャレンジも盛りだくさんです。最後に、35周年を経て今後はどんな目標を持ってやっていこうと考えていらっしゃるのか教えてください。
とてもありがたいことに、今は自分が好きだなと思う事、人、物に仕事としてコネクトできていて、肩肘張らず、一つひとつの仕事を自然体で楽しくやれているのだと思います。こういう出会いやご縁をいただけてこんなに嬉しいことはありません。これを当たり前と思わず、大事にして、一つひとつの仕事をいいものできるよう、これからもしっかりやっていきたいと思います。
取材・文=河原崎直己
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