コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、漫画家、イラストレーター、日本画家として活躍中のおぞねさんが、Twitter上とコミックウォーカーで連載中の『都会でペェペェ!虚無かわいいアデリーペンギン』から『禁断のたこ焼きを食べる話』をピックアップ。
作者のおぞねさんが、2023年6月14日にTwitterで本作品を投稿したところ、3万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、おぞねさんにインタビューを行い、創作のきっかけやこだわりについて語ってもらった。
アデリーペンギンとメンダコは、飼い主とペットという関係。とあるきっかけで一緒に住むことになった二人の様子は、シリーズのなかで度々描かれ、多くの読者を楽しませている。
今作は家でリズミカルな音楽を流しながら、二人で楽しくダンスする様子から始まっている。そして、仲良く手を繋いでくるくると回っている最中に、遠心力のせいかメンダコの足がちぎれてしまうのだった。
「え?」
アデリーペンギンは虚無の間をはさんだ後、メンダコを心配して焦る様子を見せる。しかし、メンダコは「再生するので大丈夫です。おいしいよ!」と笑顔で言った。するとアデリーペンギンは、躊躇することなく、たこ焼き作りに取り掛かる。
見た目はいつものたこ焼きと変わらずとても美味しそう。そして、食べてみても美味しかった。至福の表情を浮かべるアデリーペンギンに、メンダコも「メェン」と満足気。アデリーペンギンはメンダコのほっぺにチュっとして、感謝を伝えるのだった。
「ん?」
どうやら“チュっ”と触れたメンダコの肌を美味しく感じた様子のアデリーペンギン。「またたこパしようペェ」と味を占めた様子に、不穏な雰囲気が漂い、今後の二人の関係を心配せずにはいられない終わり方となった――。
Twitterでは、「いろんな意味でドキドキするお話でした」「あかんてぇ!」「たこパ混ざりたいペェ」など、反響の声が寄せられている。
――『都会でペェペェ!虚無かわいいアデリーペンギン』の作品やキャラクターが生まれたきっかけ・理由などがあればお教えください。
日々の暮らしの中には、楽しいことだけではなく、辛くて大変なこともあり、みんなの心の中には大なり小なり虚無が住んでいると思います。私は水族館で初めてアデリーペンギンの目を見た時、酸いも甘いも知っているかのような目つきに同じ"虚無"を感じて惹かれ、これを描こうと思い今に到ります。
――今回の『禁断のたこ焼きを食べる話』につきまして、特に気に入っているシーンがあれば、理由と共にお教えください。
ラストの、メンダコの味を占めてしまったシーンです。アデリーさんの最後のコマは、どことなく食べものを見る目つきになります。この目つきが気に入ってます。
――今作では、メンダコの足(腕)がちぎれて最初は焦っていたアデリーペンギンでしたが、たこ焼きの美味しさに気づいてしまった様子も見られました。足(腕)の再生を待たずに我慢できるのか心配です。今後も、メンダコはペットとしてアデリーペンギンと仲良く暮らしていけるのでしょうか?
メンダコは、アデリーペンギンを洗脳してペットとして飼われています。(理由はまた別の機会に)なので、洗脳がかかっている内はすべて食べられることはありません。
しかし、アデリーペンギンの食欲が洗脳を上回る恐れも否定できません。"メンダコが美味しい"という認知は非常に取り返しがつかなく、二人の関係性は危うさを極めていきます。
――おぞねさんは、もしもメンダコのたこ焼きが食べられるとしたら、食べてみたいですか?
食べたいです。コメントで教えていただいた水族館のメンダコ食レポでは、なんとも微妙な評価でしたが、それは湯通ししただけの調理前の状態と言えるので、調理次第で化ける可能性があります。そして、たこ焼きには何を入れても美味しいという理論があり、"めんだこやき"の味は間違いなく美味しいと思います。
――本作を描くなかで、特に心がけているところ、大切にしていることなどをお教えください。
ただ可愛いだけではなく、リアルな生活の様子や、表情の書き込みをこだわって制作しております。そうすることでアデリーペンギンに親近感がわき、友達やペットのような身近な存在となり、読んでくれてた方々の心の中に住む虚無にそっと寄り添い、日々の癒やしになれればいいなと思っております。
――『都会でペェペェ!虚無かわいいアデリーペンギン』が2023年6月27日に書籍化されました。作品やおぞねさんの今後の展望や目標をお教えください。
今後はグッズ展開にも力を入れ、現在たくさんの企画を準備しております。そして、目標は2巻を出すことです!ますます人気がでて2巻を出せるよう盛り上げていきますので、引き続き応援よろしくお願いいたします!
――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
いつも応援いただきありがとうございます。SNSにて投稿への反応やコメント、励みになります。今回虚無かわいいアデリーペンギンが書籍化となったのは、皆さま一人ひとりの応援の賜物なので、本当感謝しております!これからもよろしくお願いいたします!
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