――BOXも、最初のLPレコードサイズから変更になって小さくなりましたが、こちらのイメージは?
江村:志村さんは“モノリス”っていうイメージだったみたいで。
志村:映画『2001年宇宙の旅』の謎の物体ですね(笑)。稲葉さんは芯の強さがありつつ、ご本人はすごく繊細な方だと思うんです。そういうところを出したいと思ったのと、モノリスと言ったのは、見る人によってどうとでも解釈できるものにしたいと思ったからなんです。
特装版を購入される方はB’zや稲葉さんのファンの方で、掲載されている歌詞はもしかするとすべて知っているかもしれない。でも、歌としてではなく“歌詞”を読んでもらいたいなと思って、デザインにはなるべく余計なイメージを持たせたくないとも思ったんです。だからこそ、BOXを含めた装丁から先入観を与えないようなデザインにしたかったという気持ちもありました。
江村:BOXをはじめ作品集、フォトブックの装丁も極力シンプルで手作り感のあるものにしようと思って。そこに箔押しのブルーのロゴが載ることで、稲葉さんの凛とした強さや高貴な部分を感じてもらえたらなという意図です。
――作品集とフォトブックは、それぞれ珍しい“ドイツ装”と“スイス装”という装丁になっていると聞きました。これも志村さんからの案なんですよね?
志村:先ほども出てきた“手作り感”というのを考えた時に思い浮かんだのがドイツ装とスイス装だったんです。これは印刷会社の方は大変だったと思いますが、稲葉さんも歌詞を作る時に苦労されて作られていると思うので、作品集を作る側も一つ一つの工程を丁寧に作っていくのがいいんじゃないかと思ったんです。
江村:志村さんから「こういう装丁もあります」と、ドイツ装とスイス装を採用している本を見せてもらいました。これまで自分では採用したことがない装丁だったので面白いなって。
志村:通常の書籍と比べると脆いというか、壊れやすい装丁なんですけど、貴重な物だからこそ敢えてそういう物でもいいんじゃないかとも思ったんです。壊れやすいけれど、大切に扱うことで年月を経ると手作りゆえの味が出てくると思いますし。だからこそ大事にしたいと思ってもらえたらいいですね。
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