また、クランクインに先駆け、原作のモデルとなった工場を訪れた道枝。大山隆久代表取締役社長の案内で工場を見学し、「障がいがある方の雇用というのは普段あまり触れる機会のないテーマで、デリケートな部分もあるのかなと思っていたので、どう向き合えばいいのかまだ模索中です。ただ、ドラマを通じて前向きなメッセージを伝えられたらいいなと感じています」と意欲を見せる。
さらに、「僕が演じる広翔のモデルになった大山社長に工場を案内していただいたので、気になったことはどんどん聞いていきました。実際のエピソードで、曲がったチョークを選別する作業の中で、障がいのある従業員の方が判別に迷って全体の流れが止まってしまうという問題が起きたそうです。解決のために、これまで〇か×しかなかった選別の箱のほかに『どちらかわからない』という意味の△の箱を作ったら作業がスムーズに進むようになったというお話を聞きました。初めはその一人の方のために考えた工夫だったのに、他の人の作業も早くなったそうなんです」と話す。
続けて、「『誰かのために考えたことがみんなのためになる』、この社長の言葉がすごく印象に残っています。広翔は、最初は障がいのある従業員の方との接し方に戸惑ったり、工場の経営が厳しいのに障がい者雇用を減らしたりやめたりしない父親に反発するのですが、工場のみんなと時間を過ごしていくうちに、少しずついろいろなことに気付いて変わっていく、その成長の過程をしっかりと演じられたらなと思います。このドラマを見ていただくすべての皆さんに、働くことの幸せを感じていただけたらいいなと思います」と役柄への思いを口にした。
また、実際のチョーク製造過程の一部を体験し、「お仕事中にお邪魔してご迷惑をおかけしてしまっているのではという気持ちもあったのですが、従業員の皆さんが優しく温かく、アットホームな感じで迎えてくださいました。皆さんの作業は見ているときには簡単そうに見えるんですけど、実際にやってみると全然簡単じゃなくて。作業場の中で、皆さんの集中力や、すごく繊細な作業で一個一個丁寧に仕上げていく熱量を肌で感じました」と、広翔役を演じるにあたって学びがあったことを明かした。
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