才能あふれる若き脚本家・若杉栞南氏が川崎皇輝主演「拝啓、奇妙なお隣さま」&高橋ひかる主演「ハレーションラブ」について語る

2023/07/15 11:00 配信

ドラマ インタビュー

高橋ひかるとの出会いを振り返る


――同ドラマの主人公である、朱莉はどのようにして作られたのでしょうか?

(朱莉は)ただの女の子なのですが、そこに彼女なりのこだわりが見えたらいいなと思い、今の朱莉が誕生しました。朱莉にとって、ずっと身近にあった物として、カメラがあります。

ずっと仲のよかった友だちではなく、ある種、大きな支えにもかせにもなる物としてカメラがあることで、カメラにこだわってしまうし、そのこだわりが彼女の支えになっているというバックグラウンドがあります。

そのバックグラウンドがあると、写真を作品に入れたことがスパイスとして効いてくるんじゃないかなと思っています。写真をテーマにした作品だと、カメラと出合うという描き方だったり、撮影された写真を見るという描き方もできるのですが、主人公が撮るということで、カメラがあるからこそ向き合えるストーリーが描けると思って取り入れました。

――朱莉を演じる高橋ひかるさんの印象は?

企画の段階で一度お会いしたのですが、すごく透明感のある方だなという印象でした。お話をお伺いすると、強くいろいろなことを考えている方だという印象を受けました。

朱莉の持つ強さは高橋さんと出会ったことで私が感じた高橋さん自身の強さと重なっています。

――一ノ瀬颯さん、眞島秀和さんの印象も教えてください。

まだお2人にはお会いしたことがないのですが、キャラクターたちにぴったりな俳優さんだなと思いました。眞島さんが、怪しい男として描いていた浅海というキャラクターを演じてくださると聞いた時、怪しいけれど、その中に優しさもある浅海のイメージ通りだなというふうに思いました。

他の作品で拝見した眞島さんは、愛のある厳しさを表現されているイメージで、今回もその雰囲気をまといながら、主人公と出会うだけの男の人というだけではない、重要な人物・浅海を最大限に表現してくださるのではないかと思っています。

一ノ瀬さんもドラマを拝見していて、優しい雰囲気のある方だなと思っていました。そんな一ノ瀬さんが演じる昴と高橋さん演じる朱莉が並んだところを想像した時に、彼女と彼の歴史と歩んできたものが、私が思っていた以上にしっくりきましたし、「こんなことがあったんだろうな」と予想ができたんです。

ストーリーでも、昴と朱莉の歴史は詰めて描いていた部分でもあったので、映像で見るのがとても楽しみです。

――貴重なお時間ありがとうございました。では、最後に若杉さんが今後なりたい脚本家像やタックを組んでみたい人をお願いします。

ドラマを夢中にさせるための、「波を作っていく(=目を離すことができないくらい面白かったり、ドキドキワクワクする展開を描く)」 というのが、私自身、脚本の課題でもあると思っています。

それと同時に、波を作るという工夫が視聴者側に見えないくらい、ドラマとして受け入れられる、大きな印象を持たれるような作品を作っていきたいです。

尊敬している高田亮さんという方がいらっしゃるのですが、高田さんの描く会話劇が見ていてすごく楽しくて、大好きなんです。私が描く会話劇はまだ「話をさせている」という部分が強くなってしまっているので、高田さんのような自然な会話劇を描けるようになりたいです。

機会があれば一度、高田さんが会話劇を生みだしているその場を見学させていただきたいです!

※川崎皇輝の「崎」は正しくは「たつさき」、高橋ひかるの「高」は正しくは「はしご高」