【漫画】親友に自信を与え続けた健気な主人公…対照的な2人の女性が織りなす友情物語に「めちゃくちゃ泣ける」「尊い」の声

2023/07/22 10:00 配信

芸能一般 インタビュー

対照的な女性同士の友情を描いた『幼馴染は今日、結婚式を挙げた』が尊い…画像提供/吉良いとさん

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、“対照的な2人の女性が織りなす友情”を描いた漫画『幼馴染は今日、結婚式を挙げた』をピックアップ。

作者である漫画家の吉良いとさんが、2023月6月4日に本作をTwitterに投稿したところ、7.9万件を超える「いいね」や反響が多数寄せられた。本記事では吉良いとさんにインタビューを実施。創作の裏側や、本作における思い入れなどを語ってもらった。

親友の結婚式なのに、なぜか浮かない表情の主人公…

『幼馴染は今日、結婚式を挙げた』(2/8)画像提供/吉良いとさん


物語に登場するマミとミズキは、古くからの幼馴染同士。そんなミズキが晴れて結婚することになり、マミは挙式に参列していた。本来であれば喜ばしいことのはずだが、なぜかマミは「はあああ…」と深いため息をつく。

そんなマミを見た男の友人から「辛気くさ 結婚されて焦ってんの」と言われてしまうものの、すかさずマミは「ちがう」と否定。どうやら別の理由でブルーな気持ちになっているようだった――。

実はマミはミズキと仲良くなる前、自己肯定感が低い彼女に対して嫌悪感を抱いていた。そんなある日、マミは前髪で顔を隠してオドオドするミズキに「アンタムカつく!」と言い放ち、突然ミズキの前髪をピンでとめて顔を出させる。そして「本当は綺麗なんだから! 自信持ちなさい!!」と告げると、ミズキは「…すごい! 魔法みたいっ」と喜びをあらわにした。

何気ないやり取りがきっかけとなり、それから親友になった2人。マミはミズキに自信を持たせようと毎日ミズキに「綺麗」と伝え続け、いつしかマミは「ミズキには私がいなくちゃ」と思うように。

しかし大人になったミズキがマミに突然結婚を報告してきたことで、マミのミズキに対する見方が一変。「とんだ勘違いだった」「ミズキにはもう私以外にも『綺麗』って言ってくれる人がそばにいる」などと、寂しさが押し寄せてきたのだ――。

こうした背景から、「私なんていなくても…」と思わず結婚式場で涙を流すマミ。自分の存在価値がわからなくなり、暗い顔を浮かべていると、そこへ突然ウエディングドレス姿のミズキが現れる。

そしてミズキはマミに、「私綺麗になったでしょ? マミが自信をくれたおかげだよ」と明るい表情で話しかけた。その瞬間、マミはミズキとの思い出が一気に蘇り、「うんっ きれいぃぃ」と大号泣。ミズキのひと言で、マミが抱いていた不安や寂しさは一気に吹き飛ぶのだった――。

結婚しても、決して壊れることのない“女性同士の友情”を描いた本作。自己肯定感の低さがいつの間にか逆転してしまう点も、見どころの1つだ。ネット上では、「めちゃくちゃ泣ける」「マミが『綺麗』って伝える時に流す涙も綺麗だった」「マミの気持ち、すごく共感できる」「素敵な漫画をありがとう!」「最高の友達同士。私もマミやミズキみたいな友達がほしくなった」「2人の友情関係が尊い」など絶賛コメントが寄せられている。

ストーリー作りの中で一番ワクワクするのは「物語が生まれる瞬間」

『幼馴染は今日、結婚式を挙げた』(8/8)画像提供/吉良いとさん


――『幼馴染は今日、結婚式を挙げた』を創作したきっかけや理由があればお教えください。

この漫画は、私の大好きな友人が結婚式を挙げることになり、謎の巨大感情に襲われたため衝動で描いた作品です。

作品自体フィクションではあるのですが、自分の中で“名前が付けられない感情”を1ページ1ページ魂を込めてぶつけました。

――本作では、ラストシーンがとても感動的で印象に残りました。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。

2人の表情の変化にこだわりました。自信満々だったマミと対照的に自己肯定感が低かったミズキ。それが段々と逆転していく2人の様子は、描いていてとても楽しかったです。

――本作で特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

ミズキの「私綺麗になったでしょ?」と言うシーンが気に入っています。マミのおかげで自己肯定感が上がり、生き生きとした感じが出ていて、作中でも1番好きなページになりました。

――普段作品のストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか?

ふとした時に出る身近なアイディアから膨らませることが多いです。「友人の結婚式、おめでたいけど寂しいな」「大切な人の記憶を覗いてみたい」「死んでからの後悔を晴らしてくれる人がもしいたら…」など、ありふれた感情や願望を“どうやったら解決・解消できるのだろう”と考え始めた時に始めて物語が生まれていきます。その瞬間がストーリー作りの中で一番ワクワクします。

――吉良いとさんの作品では、思わず共感したり感情移入してしまうような描写が散りばめられている印象を受けます。作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか?

キャラクターの表情作りに特にこだわっています。目だけで何を訴えているのか、どういう感情を持っているのかがわかるように意識して描いています。キャラクターの想いが読者の方に届いていたら、作者としても嬉しいです!

――今後の展望や目標をお教えください。

商業活動もやりつつ、同人誌など描きたいものをこれからも積極的に世に出していけたらと思っています。著作がメディア化して、新しい命が吹き込まれるのを見ることがこれからの目標です。がんばります!

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!

いつも作品をお読み頂き、ありがとうございます!皆様からたくさんのご感想やご反応を頂けているおかげで、日々執筆に励めています。今後とも応援よろしくお願いします!