刺激的なタイトルからは想像もできない美しい物語で話題を呼んでいる、住野よるの小説「君の膵臓をたべたい」。浜辺美波と北村匠海のW主演で映画化した本作が、7月28日(金)に公開される。教師の“僕”(小栗旬)が、教え子と話すうちに、高校時代に出会った膵臓の病気を抱えた桜良(浜辺美波)のことを思い出していく。12年前、桜良の病気を偶然に知ってしまった“僕”(北村匠海)は、彼女が死ぬまでにやりたいことに付き合い、一緒の時間を過ごしていく。だが、彼女の明るく懸命に生きる日々は終わりを告げ…。本作で、北村演じる“僕”が桜良のほかに唯一、心を開くクラスメートを演じるのが“ガム君”こと矢本悠馬。リレー連載第2回は北村匠海と矢本悠馬の爆笑(!?)トークをお届けします。
北村匠海(以下、北村)「(初共演作の)『ゆとりですがなにか』(16年日本テレビ系)のときはまだ、『次(の作品)も一緒ですね』みたいな感じで」
矢本悠馬(以下、矢本)「あのときは2人ともバチバチに猫かぶってて(笑)。で、次の『仰げば尊し』(16年TBS系)のときに、匠海から連絡先聞いてきたんだよね」
北村「そうそうそう」
矢本「こんな人見知りの暗いヤツが(笑)。急に1人でのこのこ歩いて来て、『矢本くん、連絡先教えてもらっていいですか?』って」
北村「(笑)。何か、矢本くんとは何となく服装の向かってる先が一緒のような気がして」
矢本「確かに一緒なんだよね。流行ってない服着てて」
北村「現場でも、2人してとにかく私服が浮いてて(笑)。面白いなって思ったんですよね。そこから、特に『仰げば尊し』の現場では結構しゃべってましたよね?」
矢本「うん。大体俺がふざけてるだけで(笑)。笑ってくれるから、ふざけたくなるんですよ」
北村「僕含め、『仰げば尊し』(16年TBS系)で共演して仲良くなった子は、 “矢本悠馬信者”的な感じなんです(笑)」
矢本「何か知らないけど、匠海たちは俺がいないところで俺のことを褒めてるっていう(笑)。なんなんだよ、それ!」
北村「僕ら、矢本くんのことがすごい好きなんですよ(笑)」
矢本「(笑)。わけ分かんない(笑)。でもね、匠海たちのことは可愛くて可愛くて。何て可愛いヤツらなんだって思う」
北村「年齢で言ったら、8個ぐらい違いますよね」
矢本「うん。まぁね、俺もイケメン好きだから(笑)。そっちから来られると、こっちも『おお、可愛いな』って(笑)。イケメンにモテるのが一番うれしいからね」
矢本「今回、俺が脚本を読んだ時点で、『僕』の役は匠海にドハマりだなと思ったんですよ。で、『おまえ、バシッときたでしょ?』って言ったら、そうっすねって(笑)。その様子に、頼もしい主演だなって(笑)」
北村「本当、『僕』のキャラクターはイメージしやすかったんですよね。あと、矢本くん演じるガム君とのシーンは、僕自身すごく好きで。監督も、2人のシーンが終わると駆け寄って来て、『2人いいね〜』って小声で言ってくれたり(笑)」
矢本「空気みたいに自然なシーンだったよね。別に事前に相談したりもしてないんですけど。俺が急にわけ分かんない感じの芝居してただけで(笑)」
北村「矢本くんがすごい独特だった」
矢本「あの棒読みの感じね(笑)。何か、なれなれしいのも、よそよそしいのも、地味に違うなと思って。『僕』というキャラクターが持つ距離感っていうのがあって、そこを壊しつつ保つには、言葉にあまり感情が乗ってないほうが『僕』にとって居心地がいいのかなって思ったんですよね」
北村「あえてそこを差し込んでくるって、すごいと思う」
矢本「でもさ、『僕』というキャラクターに対して、ガンガン積極的に行ったら引くでしょ?」
北村「うん。引きますね」
矢本「だから、話し掛けはするけど、つかみどころがないから何を考えてるか分からないってぐらいがちょうどいいのかなって」
北村「それが本当にナチュラルで。すごくいいんですよ」
矢本「あと、実はあのガムがめっちゃウマくて(笑)。劇中の『僕』は全然もらってくれないけど、匠海は現場で普通に食べてたよな?」
北村「食べてましたね(笑)。美味しいんですよ」
矢本「ただ、10噛みくらいすると味がなくなるっていうね(笑)。そんな僕も、匠海とのシーンは本当、何がきてもあんまり違和感がなかったです。匠海がアドリブで演技してるところもあるんですけど、俺はもう、匠海のことが好きだし、匠海と遊んでたし、現場での匠海はいつ見ても『僕』というキャラクターでいてくれてたから。それに、俺の役もトリッキーだから、何でもアリっていうか」
北村「僕、矢本くんはトリッキーな役しか見たことないですよ」
矢本「あははは。俺、ファンタジスタだから(笑)」
北村「これまで一番印象的なのが『ごめんね青春!』(14年TBS系)だったけど、ガム君ってキャラも相当だと思う」
矢本「そうだよね。まず、『ガム君』って、意味分かんない名前でしょ。最初、妖怪か妖精の役かと思ってた(笑)。ふわっと急に現れて、喋って。『僕』にしか見えてないのかな?って(笑)。しかも『君の膵臓をたべたい』ってタイトルだし。マネージャーから、『君の膵臓をたべたい』の『ガム君』役っていうオファーがありますって話を聞いたとき、ホラー映画のサイコパスなんじゃないかと(笑)」
北村「僕も最初、(タイトルだけ聞いて)ホラーか何かかと思いましたよ」
矢本「でも、読んでみたら、青春モノじゃねーかよ!って(笑)。何の話かと思いました(笑)」
矢本「俺、実はDISH//の曲はダウンロードしてるんですよ」
北村「え! 意外!」
矢本「で、いつライブに招待してくれるのかな?っていう」
北村「次のライブ、待ってます!」
矢本「武道館でやってるの、すごいよね。俺はまだ匠海の音楽活動の顔見てないから。どんなだろうなって思う」
北村「DISH//のときは芝居のときと全然違うので」
矢本「そういえば、初めてしゃべった話題がDISH//の話だったなぁ。『ゆとりですがなにか?』のとき、柳楽(優弥)くんが『こいつ、歌も歌うんだぜ』って言って」
北村「そうそう」
矢本「で、俺は『嘘だよ、めっちゃ暗いじゃねぇか』って(笑)」
北村「(笑)」
矢本「『何? ディッシュ? パンなの?』って(笑) そういうイジりからだったもんね」
北村「そうですね」
矢本「で、『武道館パンパンにしてるんですよ』って言われて、『ファンにディッシュ投げてるの?』『パッサパサの会場なんでしょ?』って(笑)」
北村「あはははは。いや、なんか、自分がこういうタイプなんで、矢本くんや太賀くんみたいなタイプと仲良くなりたくなるんですよ。僕とは違う、底抜けな明るさ」
矢本「(北村の発言を遮って)おいおいおい、俺も太賀も結構ネクラだぞ」
北村「僕もネクラで、それを突き通してるタイプなんですけど」
矢本「俺らは暗いことがバレないように明るく見せてるだけ。2人のときはめっちゃ暗いからね(笑)」
矢本「今日はいろいろあって、あんまり記憶がないです(笑)。上がった写真も俺が疲れてるんじゃないかな(笑)」
北村「僕は楽しかったですよ。だって、相手が矢本くんですから」
矢本「あ、でも、この作品のロケで行った滋賀で撮ってくれた写真、ナチュラルで良かったよね」
北村「良かったですか!? 結構いい写真が撮れたと思います」
矢本「ただ、俺が少年みたいにしか写ってなかった…。10代の匠海に撮られたとは思えないぐらい、俺の方が年下に見える写真(笑)。まぁ、でも、4カ月後ね」
北村「4カ月後、20歳になったら」
矢本「早く20歳になってくれ」
北村「それ、本当みんなに言われるんですよ(笑)」
矢本「一緒にお酒を飲めるようになったらうれしいしね。それは結構楽しみにしてる。きっと新しい何かが始まるよ」
片貝久美子
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