コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、カトウタカヒロさんの漫画「ゾンビになった家族にとり残されたアンドロイドの話」だ。
作者であるカトウタカヒロさんが6月1日にTwitterに本作を投稿したところ、7万件を超える「いいね」が寄せられ、Twitter上では「涙腺崩壊した」「いい話すぎ」「鳥肌立つ」「素晴らしい作品」などの反響の声が多数寄せられている。本記事では、カトウタカヒロさんに作品のこだわりなどについてインタビューをおこなった。
ゾンビになった父と母と暮らすアンドロイドの息子。数年前、遺伝子研究所から薬品が流出したことがきっかけで全世界がゾンビ化し、父と母もその犠牲となっていた。息子がゾンビ化することだけはなんとか防ごうとした両親は、父親がサイボーグ化の研究者であることを活かし、息子の魂と記憶をサイボーグに移し替えたのだった。
自分だけが助かり、両親のゾンビ化を食い止めることが出来なかった息子は、その事実を未だに悔やんでいた。そんな時に、子ども2人を連れた女性に出会う。アンドロイドになった経緯を知った女性は、自分の子ども2人を連れて、家を出るように申し出た。その女性もゾンビ化する手前だったのだ。「私たちを置いていかないで」と泣きじゃくる2人の子ども。そんな2人に女性はペンダントを差し出す。さらに女性はアンドロイドの体を触り始め、そこから出てきたもう1つのペンダントをアンドロイドに差し出すと、その中には父と母の写真が入っていて…。
――「ゾンビになった家族にとり残されたアンドロイドの話」を描こうと思ったきっかけや理由があればお聞かせください。
もともと連載の企画用に描いた読み切り漫画でした。「ゾンビの世界観でロボットが無双する話」として着想したことがきっかけでした。
――両親が子供を守りたいという描写が印象的ですが、本作に込めた思いやこだわった点などがあればお聞かせください。
昔、母を亡くした折、全てが自分のせいだと感じ精神的に閉じこもって前に進めず、思い出に取り残されたような気持ちになることが度々ありました。
そのときなにかしらの形見や形として残すことで「きっとどこかでみてくれているはず」と思い込み前進できたこと、そしてそれをきっかけに実家を出て1人暮らしをしたことで初めて大人になったような気がしたのを覚えています。そういった体験や心情が作品にも出ていたのかもしれません。
――本作の中で、特に思い入れのあるシーンやセリフがあればお聞かせください。
ラストで過去の自分のゾンビを殴るシーンです。ここは抱き締めるか殴り飛ばすかで迷いました。
――普段作品のネタ(ストーリー)はどのようなところから着想を得ているのでしょうか?
家の壁にホワイトボードのようなシートを全面に貼り、「キャッチーなワード」や「普段なくては困るもの」「人気のある伝説上の動物」など、ヒキが強そうなワードが普段から目に入りやすくした状態で言葉と言葉をつなげながらが空想しています。ゾンビアンドロイドの場合は「ロボット」「ゾンビ」「無双」「親子愛」とかだった気がします。
――カトウタカヒロさんの今後の展望や目標をお聞かせください。
過去に描いた「ジンメン」という作品等で私を知った方にはホラー作家というイメージを持ってもらっていると思うのですが、描きたい作品はまだまだたくさんあるので、作風にしばられない作家になりたいです。あとできれば自分に子供ができたとき読ませられる作品が描きたいです。連載作品はどれもグロテスクなものが多いので。
――最後に作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
いつも私の作品を読んでいただきありがとうございます。また違う作品、違う作風で常に新しい私と新鮮な気持ちで出会っていただければと思います。つきあってくださる方々は今度とも応援よろしくお願いいたします。
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