以前、妻の両親と4人で車で出掛けたことがありました。妻の両親は妻と関係ない普通の世間話をしていたんです。僕はそれを手話で妻に通訳していました。そしたら2人の会話で妻が笑ったんです。そのことにお義母さんはひどくショックを受けてました。
自分は無意識のうちに長い間、娘を無視してしまっていたと。だからわが家では妻がいるときは、妻と関係ない話でも娘と手話で話します。声を出して話すのは娘と僕の2人のときだけ。疎外感ってそういうところから生まれてしまうんですよ。
でも僕はルームに遊びに来てくれたろう者に「自分からも歩み寄った方がいいよ」と伝えます。自分から意思表示しないと相手は分かりませんから。それに僕もお酒を飲んだ深夜にずっと手話するのは大変だし(笑)。お互いに気遣い合うことでいいコミュニケーションは生まれると思うんですよね。
取材・文=宮崎敬太
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