横浜流星、空手で鍛えた心の強さで挫折乗り越えた プロボクサー役で見せる本気の意思表明

W主演の佐藤浩市から学んだ視野の広さ

横浜流星撮影=友野雄


──今作は仁一役の佐藤浩市さんとダブル主演。佐藤さんとお芝居で対峙して感じたことを教えてください。

浩市さんは、本当に仁さんのような方でした。それは浩市さんが仁さんとしていてくれたからだと思うのですが、すごく優しく包み込んでくださる方で。現場でも共演者やスタッフの士気を上げるために自ら声を上げてくれて、時には厳しいことも言ってくれる。本当に愛のある方でしたね。

──お芝居の面で印象的だったことは?

浩市さんは「仁一だったらこうする」という考え方にプラスして、客観的な目も持っている方。自分は翔吾として生きているときは翔吾の視点でしか見られていないので、まだまだ視野が狭いなと思いました。話さずとも浩市さんとは仁一と翔吾としていられたというか、心で近付けた感じもあって不思議な感覚でした。本当に学ぶことがたくさんありました。

──では改めて、映画「春に散る」の見どころは?

見どころはやはりボクシングシーンです。本当に魂込めて作ったので。格闘技を普段見ない方のイメージとしては、ボクシングって殴り合って血が出ていて……と怖いものだと思うのですが、それだけではない。きっと心が熱くなるので、ボクシングファン以外の方にも観てもらいたいです。翔吾と仁一が光を掴み取るために再挑戦する姿を見て、何かを感じてもらえたらうれしいです。今何かに挑戦している人や挑戦しようとしている人、挑戦したけど失敗してまた立ち上がろうとしている人……とにかく頑張っている人たちへエールを送れたらと思っています。