Adoのジャケット手掛ける沼田ゾンビ!?が初の個展 セルフ・プロデュースで放つ「KAWAII」のすべて 

2023/07/21 19:00 配信

芸能一般 速報

「沼田ゾンビ!? solo exhibition『CHIMERA -キメラ- 』」

歌い手Adoの配信シングル「ギラギラ」「永遠のあくる日」のジャケットや MV のイラスト映像制作など、多くの歌い手、ボカロPのジャケットやMVを手掛けてきたイラストレーター・沼田ゾンビ!?が初の個展『CHIMERA -キメラ- 』を開催。沼田ゾンビ!?の考えるカワイイ=「KAWAII」世界観をセルフ・プロデュースで表現した空間となっている。

フロアごとに異なるストーリーが展開

今回の個展のタイトル『CHIMERA -キメラ- 』とは、同一の個体内に異なる遺伝情報を持つ細胞が混じっている状態やそのような状態の個体のこと。沼田ゾンビ!?という1人のイラストレーターから産まれた異なるストーリーが、会場である東京・渋谷のelephant STUDIOの各フロアで表現されている。

1階に入るとまず薄暗い青の空間が広がる。中央のオブジェが真っ先に目に映るこの会場では、オブジェの正体である「魔法天使ちゃん」を生み出した「宮下くん」の頭の中で作り出された世界、そして「宮下くん」自身の部屋を模した「空想と現実」を表現した空間となっている。
誰もが介入されたくない「空想の世界」と「現実」が入り混じる複雑な感情を「宮下くん」という存在を通じて全身で体感できる。

2階は赤の世界

そして2階へ上がると、会場内は明るく、そして赤い。1階がどこか”静”を感じるのであれば、2階はどこか”動”や”生”を感じる。ここでは沼田ゾンビ!?が考えるカワイイ→「KAWAII」作品で空間が作られている。
映え写真や、各SNS投稿画像など、カワイイが簡単に作れてしまう現在。だが、それは加工や表面上の修正を施しているものがほとんど。果たして、本来の人間はいわゆる無加工でもカワイイのか。コンプレックスである部分も全てさらけ出し”生”として存在すること自体が既に「KAWAII」存在ではないか。表情、仕草、そして流れる血などを含め、ときに残酷な描写ですら「KAWAII」と感じられる、沼田ゾンビ!?からの想いが伝えられたような空間であったと感じられた。

沼田ゾンビ!?が作り上げた空間は、ときに残酷ではあるが、ときに誰しもが当てはまる内容を作品を通じて伝えている。「沼田ゾンビ!? solo exhibition『CHIMERA -キメラ- 』」は7月30日まで開催。