<VIVANT>堺雅人「僕にとっては夢のような時間でした」約2カ月に及ぶ大規模な“モンゴルロケ”を振り返る

2023/07/23 09:00 配信

ドラマ インタビュー

モンゴルでの日々は「とても充実した毎日でした」


――物語の原作も兼ねる福澤克雄監督とのエピソードをお聞かせください。

日曜劇場「南極大陸」(2011年、TBS系)からご一緒させていただいている福澤監督は、本気でぶつかればいくらでも受け止めてくれる方で、毎回刺激を頂いています。

監督は頭で考えただけの芝居を嫌うので、体でぶつかり、心で動いて、本当の感情が出ないといけません。今回の台本を読んで、深い愛情と大きな課題を感じました。

撮影では本当に“生き物として”ぶつかっているような感覚でした。自分の芝居のもう一つ大きなものを求められている感じがして。深く腹から出る声というか、腹から出る感情を求められているという感覚ですね。それは画面にも滲み出ていると思います。

――モンゴルでの撮影はいかがでしたか?

モンゴルには約2カ月間滞在しましたが、僕にとっては夢のような時間でした。20年ほど前に一人旅で赴いたこともあり、大好きな国です。今回は首都のウランバートルだけではなく、ゴビ砂漠にも行けましたし、観光ではなかなか行けないような場所にも行けました。

2カ月間生活することで、旅行者の視点ではなく、そこに生活する者の視点でモンゴルという国を体感できたことが、モンゴルに強い憧れを持っていた自分としては、とても充実した毎日でした。

しかも、野崎守役の阿部寛さん、柚木薫役の二階堂ふみさんをはじめ、本当に素晴らしいキャストの皆さんと毎日お芝居ができる、それが俳優として何より幸せでした。

ただ、モンゴルには日本からの直行便の本数が少ないので、モンゴルへ向かうにも一苦労で。それに、ホテルからロケ地への移動も、舗装されていない道を車で数時間かけて進むという厳しいものでした。もうアトラクションのように揺れ続けます。でも、慣れるとその中でも眠れるんですよ(笑)。

――モンゴル生活のエピソードを教えてください。

ラクダにも乗れたのも、今回のロケでうれしかったことの一つです。かわいかったですね。ラクダも人間みたいに一頭一頭、本当に顔が違うんです。丸顔のラクダもいて、とても個性的。怒るとツバを吐いてくるんです(笑)。一頭をかわいがると、別のラクダがつまらなそうな顔をして。ラクダも嫉妬するんですね(笑)。

モンゴルの遊牧民の生活は、動物の中に人間がいるような感覚です。僕らも生き物であって、その輪の中で一緒にお肉を頂いたり、乳を頂いたりして、生きているということを深く実感しました。ラクダ、馬、ヤギ、羊も大事な共演者です。

また、モンゴルは日照時間が長く、毎日、日の入りと日の出を見るという貴重な体験もしました。見渡す限りの地平線に、太陽が昇ってから沈むところまで見られるんです。「なんて生物としてちゃんとした毎日なんだろう」と思いました。

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