──竜星さんは舞台にも、映画やドラマなどの映像作品にも出演されていますが、舞台ならではの面白さはどういったところに感じていますか?
稽古も含めて、同じ役を長い期間演じられること。舞台って、映像でいうところのリハーサルみたいなことを、いろいろな俳優さんとずっとやっていくじゃないですか。しかも、本番が始まっても公演しながらどんどん変わっていく。それによって自分の中でも正解がどんどん変わっていくわけで。ある意味、自分自身を鏡とした戦いというか、自問自答の日々。そこまで役を掘り下げられる機会というのは、時間的にも物理的にも、舞台以外はあまりないんじゃないかなと思いますし、そこまで深めた役を見せられるのが、役者としていいことだなと思います。
──ご自身がこれまでで一番“進化”を感じた、ターニングポイントを挙げるならどこですか?
確実に劇団☆新感線の『修羅天魔〜髑髏城の七人season極』(2018年)。あれは本当に……すっごい辛かったんですよ。上演時間も長いし、体力的に息もできないし。すべてが挑戦でしたね。でも、だからこそ自分にとってターニングポイントにしなきゃいけないと思わせてもらった作品でもありました。わからないなりに必死に、ただただ自分のできる限りのことをして後悔のないようにしようと思って挑みましたし、それによっていろいろな自信もつけることができました。だから、そういう匂いのするものは「ビビるけどやらなきゃいけない」と思います。
──今作にもそういう気持ちを感じている?
そういう匂いがするからやるんです。だから嫌なんですけど(笑)。舞台に立つには、自分と向き合わなきゃいけない。それが楽しくないということではないですけど、それだけ集中して身を削らないといけないから。
──それでも竜星さんは舞台に立ってお芝居をしています。お芝居をする喜びや面白さはどのようなところに感じていますか?
それはもう、観てくれた人の「良い」の一言です。それに尽きます。別に「良い」じゃなくてもいいです。「感動した」でも「最悪だった」でもいい。とにかく観てくれた人の喜怒哀楽の感情が出るということ。その手助けじゃないですけど、その一つのきっかけになれたら、「やっててよかったんだ」と思えますね。まぁ、結局どこかで褒められたいんですよね。どの仕事でもそうだと思いますけど、頑張ったからには褒めてもらいたいし、逆に頑張りが足りなかったら叱ってほしい。そういうことなんだと思います。
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