蒼真の趣味を聞き出すなど、積極的に蒼真の人物像をはっきりさせようとする利宗。しかしそんな心配をよそに、藤子は蒼真を夕食に誘う。利宗が勉強を見てもらっているお礼に、手料理を振舞ってはどうかと後輩に焚きつけられたためだ。
「私、作りますので」という言葉を聞き、蒼真の顔は驚きでいっぱいに。藤子は遠慮がちに「私の手料理なんかって感じだと…」と言いかけたが、蒼真は「食べます食べたいですお願いします食べさせてください!お願いします!」と一息に言い切った。冷静な蒼真は感情が暴走してしまったことを自覚して、「いやいやあの、すごく嬉しいです」と言い直す始末。
そんな姉の甘酸っぱいやり取りを目撃していた利宗。「たしかにイイ人だと思うよ。勉強教えてって毎日来ても、嫌な顔をしたこと一度もないし」と姉と会話しつつも、頭をよぎるのはカーテンを覗いた日のことだ。ピントが合わずぼんやりとした風景のなか、壁に貼り付けられていたのはモザイクのように大量の写真だったように思える。
約束通り、利宗の勉強を教えた後に夕飯を食べた3人。蒼真の部屋にも行ってみたいと利宗がジャブを打つものの、蒼真は「段ボールがいっぱいで」とやんわり断る。どうしても蒼真に対する疑念が晴れない利宗は「仁科さんはなんか隠してる…。姉ちゃんのためにも、絶対に暴いてやる!」と息まく。
「今日18時から勉強教えてもらっても良いですか?」というメッセージを送りつつ、30分前には蒼真の部屋を訪れた利宗。ノックに反応してわずかに隙間を開けた蒼真を振り切り、部屋の中へ突入する。強引な利宗の突入劇に、蒼真は「部屋には入らないでくれ!」と絶望の悲鳴を上げる…というところまで、利宗のシミュレーションは完了していた。
しかしいざ扉をノックすると、返事は一切ない。試しにノブをひねってみると、カギはかかっていないようだ。スマホをビデオ録画モードにして部屋へ踏み込んだ利宗。姉のために踏み込んだ部屋の中、記憶にあった壁一面にあったモザイク模様の正体を目撃する。
目を見開いた利宗に、背後から声が。「利宗くん…早いね。コーラ買ってきたんだよ」と平然な顔で話す蒼真へ、利宗は「仁科さんって…鉄オタだったんスね!」と笑顔で語りかける。壁一面に貼られていた“電車の写真”を見て、すっかり気を許したようだ。蒼真が隠していたのは「ガチすぎて引かれる」と思っていた鉄道趣味のことだったのだと。
もちろん、電車の写真は偽装工作だった。利宗が帰った夜、聴診器で隣の部屋で利宗が安心している様子を確認した蒼真。満を持して1枚になった鉄道の写真を剥がすと、そこには藤子の隠し撮り写真が元のまま並んでいる。さまざまな藤子の顔に背を預け、蒼真は狂気的な笑顔で「藤子さん…おかえりなさい…!」と満足げにつぶやいた。
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