MCU「シークレット・インベージョン」完結 映画「マーベルズ」へつながる物語を解説(ネタバレあり)

2023/08/02 11:10 配信

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「シークレット・インベージョン」第5話より(C) 2023 Marvel

ニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)が主人公のドラマ「シークレット・インベージョン」(ディズニープラスで全話独占配信中)が、7月27日に最終回を迎えた。今作のミッションは、アベンジャーズの生みの親であるニック・フューリーがスクラル人によって結成された反乱軍から地球を守ること。しかし、スクラル人は擬態の名手だけに、誰が敵で、誰が味方か分からぬ事態に陥り、ミッションの遂行は困難を極めた。スクラル人とはいえ、全員が人間を敵視しているわけではなく、映画「キャプテン・マーベル」(2019年)で約30年前に出会った元将軍のタロス(ベン・メンデルソーン)は、文句を言いながらも常にフューリーの味方だ。さらにその娘のガイア(エミリア・クラーク)もある事実を知ってから反乱軍リーダー・グラヴィク(キングズリー・ベン=アディル)への不信感が募り、反乱軍の情報をタロスに流してくれるようになった。しかし、これが彼女たち親子に悲劇をもたらすことになる。今回は全6話の流れと注目ポイントを紹介しよう。(以下、ネタバレがあります)

スクラル人たちを追い詰めたのは、フューリーだった!?


約30年前、スクラル人はキャプテン・マーベルと同時期に地球に降り立ち、以来、ニック・フューリーと秘密裏の関係を続けてきた。彼らはもともとクリー人との戦いで母星を失っていたため、擬態の能力を生かして、タロスら数名がフューリーのスパイとして暗躍。タロスいわく、フューリーはそのおかげでS.H.I.E.L.D.の長官まで上り詰めることができたそうだ。

彼らはフューリーのために働く代わりに、地球での生活を手に入れた。そして、いつかフューリーとキャプテン・マーベルことキャロル・ダンバース(ブリー・ラーソン)が、彼らの新しい故郷を見つけてくれることを信じて生きてきたが、その約束はいまだに果たされていなかった。タロスは地球に堂々と住むことはできないかと問うが、同じ種族(人類)同士でも戦争が途絶えないのに、別種族を受け入れられるはずがないとフューリーは突っぱねるのだった。

だが、若い世代のスクラル人たちはもう我慢できなくなっていた。若きリーダーのグラヴィクは約束を守らないフューリーや地球人への恨みを募らせ、タロスをスクラル人社会から追い出した上で、反乱軍を結成して地球侵略計画を進めていく。作戦はこうだ。人類は民族紛争が絶えないので、擬態能力を使って対立をあおり、第三次世界大戦を勃発させようというのだ。この計画を知ったフューリーは次に起こるロシアでのテロを食い止めようとガイアの情報を基に現場に向かうが、テロを敢行された上に、自分に扮(ふん)したグラヴィクに部下のマリア・ヒル(コビー・スマルダーズ)を殺されるという失態を演じる。そのため、米政府やS.H.I.E.L.D.での地位を追われることになる。

「シークレット・インベージョン」第1話より(C) 2023 Marvel

スクラル人は地球のあちこちに存在していた


スクラル人の地球上陸率は、フューリーが想像していた以上だった。彼は地球にいるのは一部のスクラル人だと思っていたが、実際はタロスが全員を呼び寄せていたため、100万人以上ものスクラル人が地球で生活していた。しかも彼らは姿形だけでなく、相手の能力もコピーすることができるため、英国首相やNATO事務総長など世界トップクラスの主要機関の中枢にも入り込んでいた。そんな要人の顔をしたスクラル人評議会の面々が攻撃的なグラヴィクをスクラル軍の将軍に任命したことから、地球侵略計画はこれまで以上にハイスピードで進行することになる。

侵略計画の中には、スクラル人の肉体強化計画もあった。地球外生物のDNAを入手し、誘拐した研究者にスーパースクラル人を作る装置を作らせていたのだ。政治的権力と腕力的スーパーパワー。グラヴィクは両方を手に入れて、徹底的に地球人を排除しようとしていた。そんな折、グラヴィクが母親を殺したことを知ったガイアは、反乱軍の計画を父親のタロスに報告するようになる。そして第3話ラスト、グラヴィクにスパイ行為を疑われたガイアは、彼の銃弾に倒れるのだった。

「シークレット・インベージョン」第1話より(C) 2023 Marvel