ペイトン・エリザベス・リー、若き“ディズニースター”の類い稀な素養とポップな演技にゾッコン

2023/08/05 07:10 配信

映画 レビュー

映画「プロムの約束」キービジュアル(C)2023 Disney

中でも登場するどのシーン、どのカットでも漏れなく好演しているといっても過言ではないのがペイトンである。父親は、1968年生まれの中国人俳優アンドリュー・ティンポ・リー(1歳の時に一家でアメリカに移住)。ペイトンは10歳の頃から役者として活動を始め、2017年に始まったディズニーチャンネルのコメディードラマ「アンディ・マック」では13歳の主人公を等身大で演じ、注目を集めた。

さらに「天才少女ドギー・カメアロハ」シリーズ、ディズニープラスオリジナル映画「シークレット・ソサエティ ~王家第二子 秘密結社~」などでも主演を務めて現在に至っている。私はこの映画でも彼女の「即座に泣けるところ」や「即座に満面の笑顔になるところ」などに役者の底力を感じたが、声質も落ち着いたアルトで実に聴きやすく、発音も私の耳でも一つ一つの単語が明瞭に聞こえてくるのだから、すごく良いディクション(歌唱発音)の持ち主なのではないかと思う。

次代を担う“ディズニースター”として青春モノなどで若者を中心に既に脚光を浴びている彼女だが、今後年齢を重ねるうちに磨きのかかった演技、そしてもしかすると歌声の方でも世界中を魅了してくれるかもしれない。

◆文=原田和典

映画「プロムの約束」より(C)2023 Disney