7月20日に放送した「一度は行きたい極上宿 小田井涼平のあい旅」(毎週木曜 夜8:00-9:00、BSJapanext)。山口県・萩市の旅で、“幻の和牛”と呼ばれる食材を堪能する。さらに初代総理大臣・伊藤博文などと縁を持つ、歴史ある宿のこだわりぬかれた“静けさ”を堪能した。
今回小田井が訪れたのは、山口県の萩市。番組が開始して早々、小田井は「なんと、超貴重な和牛が食べられるということでやってまいりました」とテンションが上がっているようすだ。“超貴重な和牛”というワードを口で転がしつつ、「思い浮かばないもんね」とワクワクを隠しきれないまま「網焼レストラン・見蘭」に到着。
同レストランは牧場直営のレストランで、自社ブランドの和牛・見蘭牛が食べられる。小田井の前に用意されたのは「見蘭牛 特選5点盛り」。「ほんのりちょっとピンクとか、オレンジがかった独特な色をしてます」と小田井が解説するとおり、サシの入った美しい赤身は宝石のように輝いて見える。
見蘭牛が「幻」と呼ばれる所以は、昭和3年に天然記念物に指定された“見島牛”とホルスタインをかけ合わせて作られたため。見島牛という種を保存するために作られた見蘭牛は、現在90頭しかいないという。市場に広く出回らないのも納得だ。
さっそく網で焼いた見蘭牛をいただいた小田井は、たまらずお店のスタッフの肩を叩く。「これ…うまいね~!」と味わいに感動しつつ、「焼く前から大きさ変わってないからめちゃくちゃ大きいよコレ」と火が入っても身の縮まない見蘭牛の特徴に驚いていた。
しかもロケの日、年に十数頭出荷される見島牛が1~2食分残っていたという。見蘭牛の味に惚れこんでいた小田井は、「そんなん言うたら、もう食べるしかないじゃないですか」とさっそく注文することに。
出てきた皿には、薄く広く切られたサーロインが鎮座していた。「見島牛 究極の10秒ロース」と名づけられている同メニューは、薄切りのステーキといっても良いくらいの大判な見た目。真っ赤な身の鮮やかさと乳白色の脂身のコントラストが美しい。
名前の通りわずかな時間だけ網で炙られた見島牛。おすすめの食べ方だというネギを包む食べ方を実践した小田井は、眉根も肩もぎゅっと縮めて驚いた表情に。焼いてくれたスタッフの肩を二度も叩き「ぜんっぜん違う!」と感動を表した。牛の旨味とネギのシャキシャキした食感に、得も言われぬ感動を味わったようだ。
萩市に縁のある吉田松陰に関係した観光名所をめぐったあと、小田井は今回の宿へたどり着く。JR・萩駅からほど近い場所にある「萩の宿 常茂恵(ともえ)」は、創業100年近い歴史ある名旅館。第26回内閣総理大臣・田中義一などの働きかけで「萩の迎賓館」として創業したこともあり、昭和天皇や司馬遼太郎といった著名人を迎えたこともあるという。
ロビーには石畳が敷かれており、決して華美ではないものの品格を感じる景観。さらに女将の案内によって宿のなかにある蔵へ進んだ小田井は、歴代内閣総理大臣である岸信介や佐藤栄作の毛筆掛け軸を前にして圧倒されるばかり。続けて女将の祖父が松陰神社を作ったという話を聞いたときには、困惑の笑みを漏らしていた。
整備された庭や初代内閣総理大臣・伊藤博文の掛け軸など、見どころの多さについ立ち止まってしまう小田井。しかし案内された「芍薬」という部屋に入ると、また格別の驚きを顔に浮かべる。なかでも小田井が「何がすごいって…ここがビックリしました」と挙げたのは、窓から覗く美しい庭園。1つの窓から枯山水の様式で砂利に波模様を描いた小さな庭が覗くと思えば、また別の窓からは緑豊かなまったく風情の異なる庭園が見える。
さらに畳敷き以外だけでなく、部屋と部屋を繋ぐ廊下のフローリングにもひと工夫が。完全にフラットではなく、わずかに規則的なへこみが入っていることで「木って硬いはずやのに、これが入ってるおかげでちょっと柔らかく感じる」という。
廊下の先に広がるリビングも、絨毯敷きではあるものの和のテイストで統一されている。大型テレビの背後にある壁紙は、萩市にある「須佐ホルンフェルス」と呼ばれる地層をイメージ。穏やかな色合いで、地元の観光名所を表現しているのだ。
ベッドルームに入った小田井は、「他の部屋に比べてここめっちゃ静かです。空気が止まってる感じがします」という感覚を明かす。照明と壁紙の色合いなどが演出する同宿独自の“静けさ”に、「女将、明日起こしてくださいね。僕これたぶん起きれないです」とリラックスしすぎて寝過ごす予感を感じていた。
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