アイドルユニット・中野腐女子シスターズの京本有加や、元AKB48の大江朝美の出演が話題を呼んだ映画「イケてる2人」。本作で、映画初出演にして初主演を務めた京本(男装ユニット・腐男塾の緑川狂平としても活動中)に話を聞いた。
本作は、漫画雑誌「ヤングキング」(少年画報社)で連載13年目を迎える佐野タカシ原作の漫画を映画化。ミステリアスな美少女・小泉明(京本)と、彼女に片思い中の男子高校生・佐次京介(吉田貴幸)が巻き起こす、ちょっとエッチなドタバタラブコメディーだ。
――映画「イケてる2人」についてお聞かせください。
少年漫画が原作の学園ラブコメディーですが、原作を知らないという方でも楽しんでいただけると思います。ちょっとエッチな要素もありますが、ドタバタ感のある学園ドラマとして普通に見られるので、幅広い層の方に見てもらえるんじゃないかと。エッチなシーンがあるので、実は母が見たいと言ってきた時、最初は嫌だったんです。でも作品が出来上がって、実際に母に見てもらったら、「いやらしい感じは一切しなかったし、すごく面白かった」と言ってくれたので、男性だけじゃなく、女性でも見られる作品なんだと思います。
――京本さんが演じられる小泉明はどんな役なのですか?
一言で言うとツンデレ。影があるミステリアスな子で、自分に似ているところが多々ありました。わたしも、明と同じで周りとの壁を作ってしまうんですよ。劇中のセリフで、「自分のことを知られるのが怖い。知られたら嫌われるかもしれないから、人に自分のことをあまり話したくない」というようなセリフがあるんですが、自分の中にも似たような気持ちがあるので、その辺はすごく演じやすかったです。初めは、原作が13年も続いている作品で、その中でもかわいくてファンが多いヒロインの子を演じるということが不安でした。でも、原作者の佐野タカシ先生にお会いして、イメージにぴったりと言ってもらえたのでうれしかったですし、少しホッとしましたね。
――今作が初主演ということですが、この仕事のお話が来た時の心境をお聞かせください。
今まで演技の経験がほとんどなかったので、すべてが初めてのことでした。演技はやらせていただけるならやらせていただきたいとは思っていましたが、未知の世界なので、あまり具体的には考えていたことがなかったんです。
――実際に演技してみてどうでしたか?
役作りといった感情の部分は、役柄が自分に似ていることもあってか自然にいけました。でも、相手の男の子を殴るシーンがあって…。普段、人のことなんて殴らないからどうしようかと悩んで、結局そのシーンの当日まで緊張してました(苦笑)。監督から「ちゅうちょすると撮り直しになって、相手の子が何回も痛い思いをするから思い切り殴って」と言われたので、普通に殴ったんですが、その瞬間すごい音がしちゃって! びっくりしちゃって思わず「ごめんなさい」って言っちゃったんですよ(笑)。それで結局撮り直しになっちゃいました。その後もなかなか思い切りできなくて、3回くらいたたきました(苦笑)。
――学園ラブコメディーということで、共演者は同年代の方が多かったと思うのですが、撮影現場はどんな雰囲気でしたか?
当たり前なんですけど、周りの方ってみんな役者さんなんですよ。そんな中に自分が入って大丈夫かなという不安がずっとあったんですが、みんなすごい優しく受け入れてくれて。とても温かい現場で楽しかったです。相手役の吉田貴幸くんは、ムードメーカーでしたね。わたしがなかなか人の輪に溶け込めないんでいると話し掛けてきてくれるし、現場を盛り上げようとしてくれてました。真っすぐな感じのすごくパワーのある子。みんなで吉田くんを中心に、本当の学校みたいにワイワイ、キャーキャーとしてました。
――共演者には、事務所の後輩である里久鳴祐果さんもいらっしゃいますよね?
里久鳴ちゃんは、事務所に入ってきた時から知っているんで妹みたいに思っているんですけれど、彼女は本職が役者なんで演技に関しては先輩ですね。彼女の演技を見て、「いいなぁ、生き生きしているなぁ」って尊敬してました。現場で一緒にいてくれたことが心強かったです。
――映画の見どころを教えてください。
ウエディングドレスを着て走っているシーン(笑)。尺はそんなにないんですが、何本も走って撮っているのですごくつらかったんですよ。ウエディングドレスって重いし、動きにくいし、締め付けで息が吸えないしでとても苦労しました。あと人をたたくシーン(笑)とか、なかなか普段のわたしでは見られないシーンを見てもらいたいです。内容的には、明の心の変化に注目してほしいです。どんどん佐次くんに気を許していく心の変化は、わたしも明の気持ちがよく分かるのでとても演じやすかったんです。
(2)へ続く