<ファインディング・ニモ>圧巻の映像美でつづる親子愛と友情の大冒険、大人と子どもの視点で異なる感動を呼ぶ色あせない物語

2023/08/07 12:13 配信

映画 レビュー

名作「ファインディング・ニモ」に感動の声続出!(C)2023 Disney/Pixar

映画「ファインディング・ニモ」が8月5日にフジテレビの土曜プレミアム枠で放送された。2003年に劇場公開された本作は、第76回アカデミー賞で長編アニメーション賞を受賞。ピクサーにとって初の快挙で、日本でも大ヒットを記録した。今回の放送中にも「何度も観たくなる」「大人になって観るとまた違う面白さ」「泣いた」などの反響が寄せられた本作の魅力に改めて迫る。(以下、ネタバレを含みます)

「ファインディング・ニモ」とは


“おもちゃの世界”の「トイ・ストーリー」に始まり、8月4日より日本公開された最新作「マイ・エレメント」は“火・水・土・風のエレメント(要素)の世界”と、“もしもの世界”を舞台に数々の作品を送り出してきたディズニー&ピクサー。

人間ではないモノたちが人間のように暮らし、話し、行動する“もしも”の世界は、友情や生きることといった、人間にとって大切なことを映し出す。それが感動や共感を呼び、いずれも長く愛される作品となっている。

1996年の「トイ・ストーリー」から5作目となった「ファインディング・ニモ」で描かれるのは、海の世界。ある日、好奇心いっぱいのカクレクマノミの子ども・ニモが人間に連れ去られてしまう。ニモを救うため、心配性な父・マーリンは、唯一の手掛かりを持つ優しいけれど物忘れのひどいナンヨウハギのドリーと共に大海原に出るというストーリーだ。

アカデミー賞以外に、国際アニメ映画協会が主催する歴史あるアニー賞では、12部門でノミネートされ、作品賞や監督賞など9冠に輝くという評価も得ている。

圧倒的な映像美の中で物語が展開


まず触れておきたいのが映像美。始まりから、海の中に光が差し込む様子が本当に美しく、グッと心を引き付けられ、物語の世界へと没入させてくれるのだ。

舞台となっている海は、オーストラリアのグレート・バリア・リーフ。世界最大規模のサンゴ礁地帯で、ニモたちが暮らすイソギンチャクや多様な魚が生息している場所として知られる。

実写にも劣らない、というと少々言い過ぎかもしれない。けれども、冒頭シーンのほかにも、色とりどりのサンゴや魚たちの生き生きとした様は見ていて楽しくなるし、海といっても暗い深海から、海面に映る太陽と月、海流など、さまざまな表情を見ることができる。

ピクサー製作陣のCG技術力に感嘆するばかりだ。