どこからが休日をオフと呼んでも許されるのか/夜道 雪のBlowin' the Night wind!#19「OFF⇔ON」

2023/08/05 19:00 配信

アニメ 連載

どこからが休日をオフと呼んでも許されるのか/夜道 雪のBlowin' the Night wind!#19「OFF⇔ON」撮影:近藤宏一

声優、YouTuber、モデル、コスプレイヤー、そして2022年7月からは自身名義での音楽活動も。「マルチタレント」を掲げ、さまざまなジャンルで活躍する夜道雪(よみちゆき)のコラム連載、「夜道 雪のBlowin' the Night wind!(夜風に吹かれて!)」では、地元・北海道から上京し、現在の「表現者・夜道雪」が生まれるまでの道のりを、「夜道節」で綴っていきます。
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皆さんこんにちは。気温が35℃を超えると急激に動きが鈍り始め、40℃を超えると生命活動が停止する夜道雪です。そう、名前が雪だけに溶けてしまうんでね…

ちなみにアメリカのホームドラマならここで「アッハッハッハ!」という乾いた笑い声の効果音が入ります。自分で説明するのは死ぬほど恥ずかしいですね!

それにしても、ここ最近は猛暑猛暑and猛暑な日々で困ったものです。皆さんはご無事ですか? 某合衆国の某フォルニア州では、気温が50℃に達した日もあったそうです。そこまで上がってしまうと、日常が苦行に思えてなりません。何せ36〜7℃になっただけでも私の生命スイッチはオンからオフに切り替わってしまうから…

あ、そうそう。スイッチのオンオフで思い出したんですけど、休日のことをオフって言いたくなりませんか?私は最近、休日をオフと言ってみたいという欲望が渦を巻いて止まらないんです。なぜかというと、オフという言葉を使って良いのは真の有名人だけという風潮を感じるからです。私自身、多少の知名度はあるかもしれませんが、『オフ』という言葉を使っていいほどの一人前ではないと思っています。

例えば…そうですね、想像してみてください。(BGM:かの有名な某レノンの『Imagine』)

大谷翔平選手が「オフの日もなるべく外に出るようにしていますね」と言ったら(彼は本来ガチガチのインドア派だそうなのですが)、世間は『意識高くてかっこいい!!さすが大谷!!』と反応するだろうと思いますが、対して夜道雪選手が「オフの日もなるべく外に出るようにしていますね(キリッ)」と発信した日には、おそらく世間はこう反応するでしょう。

『夜道、オフって言葉を使いたいだけちゃうんか?』と。
そう思いませんか?なんなら黙らせたくなりませんか?私はなります。そもそも『オフ』という言葉を使う有名人達も、元々は『休日』とか『休み』とか一般的な言い方をしていたはずですよね。

例えばそのへんの小学生が「次のオフ、ジャスコ行かね?」とか言わないじゃないですか。中学生が「テスト終わったから今日の塾オフじゃーん!」なんて言ってたら、チャリとかぶっ壊されてます。まあ私はオフと言ってなかったにも関わらずチャリをぶっ壊されましたけどね。それはさておき。

そういうわけなので、おそらくどこかのタイミングで「休みをオフに言い換えよう!」と心に決めた瞬間があるはずなのです。かっこよく表現すれば言語的レヴォリューションであり、そして同時に精神的レヴォリューションでもあります。

これを見ている皆さんも、きっと似たような経験をしているのではないでしょうか。

想像してみてください。
(BGM:某レノンの『Imagine』)

幼き家中をとてとてと走り回り、高く通る声とくりくりの瞳で「ママ!明日動物園いきたいから、ちゅれてって!」と、可愛らしく笑っていたセピア色の日々。

それから時を経て現在。
廊下をどすどすと歩き回り、野太い声とぎらついた瞳で「おふくろ!明日新台入荷だから、金貸して!」と、明日こそは勝つという気概に満ちた現実色の覇気。

あくまでも想像の中の人物とはいえ、彼に何があったというのでしょうか。とりあえず一つだけ言えることは、パチンコをやめなさいということですね。え?お前もパチやめろって?明日勝つかもしれないからいいんだよ。

閑話休題。
失礼、話は少し逸れましたが、きっと皆さんも「ママ」を卒業しようと決意した日があったはずですよね。

少しずつママと呼ぶ回数を減らして行ったり、「お母さん」とか「母ちゃん」に変えてみたり、時には「おい」とふてぶてしく吐き捨てる日があったりしたかもしれませんが。いずれにしても、「ママをやめよう」と決めた日が、きっとあったはず。(もちろん、ママと呼ぶことが良いとか悪いとかではありませんよ)

そんな皆さんと同じように、私も「休日を、オフという言い方に切り替えたい」と思うようになったんです。唐突に。

特に大きな目標もなくタレント活動を続け早9年が経ちますが、今では「オフと言って許される所までは頑張ろう」というひとつのモチベーションに近い存在になっています。

そこで問題になってくるのが、『どこからが休日をオフと呼んでも許されるのか』という点です。最初に例に挙げた大谷選手くらいの、歴史の教科書に載るレベルの偉人なら絶対に大丈夫ですよね。むしろ彼ほどの大スターなら、まかり間違って休日をキュウリと呼んだとしても、笑われるどころか世間が追随するレベルです。すぐに大流行して「ねえ、来週の連キュウリどこ行く?」と渋谷原宿津田沼あたりで若者が使っていることでしょう。下手したらアメリカのユタ州やネブラスカ州でも…

とまぁ大スターは当然OKとしても、ギリギリの基準が一番難しいかもしれません。
実は今回、この『休日をオフと呼んでも許されるギリギリの基準』について考えていたところ、いつのまにか3日ほど経過していました。いやいや何もそこまで、と思うかもしれませんが、結構本気で考えていたのです。

もしこの煮詰まった時期に青海での仕事が入っていたら、誤って青梅に行ってしまっていたかもしれませんね。結局悩みに悩みすぎて、藤原竜也さんばりに叫びそうなくらいにまた煮詰まってきたので、

オフろ入ってきます…。それでは。

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