1分1秒を争う状態のロケットのために、クイルらはこの得体の知れない基地に侵入して、ミッションを決行する。もともとは別々のバウンティ・ハンターがひょんなことから刑務所で出会って結成し、中には殺し合いをしたほどの姉妹もいるが、今や仲間を助けるために自らの命を懸けて戦うほどのチームに成長した。しかも今回の相手は自分の欲望のためなら、他者の命を何とも思わないような“クソ野郎ども”。彼ららしいやり方で、パスキーのありかを突き止め、華麗に基地から脱出。入手した個人データから、かつてロケットがされた仕打ちを知ったクイルらは怒りを胸に秘め、エボリューショナリーが生み出した人型動物=新たな人類(ニュー・メン)が暮らす、カウンター・アースへ向かう。
そこで目にした光景は、完璧な世界とは程遠いもの。スラムでは貧しき者が路上で生活し、大人が子どもにドラッグを配り、昼間から殴り合いの喧嘩をしている。モラリティーの低い独裁者が作り上げた世界はこうなる、という悪い見本のようだ。それを知ったエボリューショナリーはゲームのリセットボタンを押すように、カウンター・アースの破壊スイッチを起動し、自分たちは宇宙船だった基地ごと離脱を図る。
それを目の当たりにしたクイルとグルートは護衛らを一気に攻撃して、パスキーを手に入れ、素早く宇宙船から離脱。自船に戻り、ガモーラと共にロケットを治療する。その頃、クイルらの脱出を知らないネヴュラとドラックスとマンティスは、宇宙船で檻に入れられた大勢の子どもを発見。自分たちも助かり子どもたちも助ける道を模索する。すると、ノーウェアが船ごと合流し、攻撃に参加。宇宙船の内外での戦いが勃発する。
パスキーのおかげで一気に回復したロケットも含めた“宇宙のならず者たち”は、子どもたちと実験体として捉えられている動物を助けるため、再びオルゴ・コープ社の宇宙船内部へ。7人が一体となって、敵をなぎ倒していく様は圧巻だ。そして、ロケットの優れた脳みそに執着するエボリューショナリーにも全員で挑み、ヤツの化けの皮を剥がす。
その後、GOGは大勢の子どもたちと動物たちに加えて、負傷したアダムまでも助け出す。ソヴリン人も、身勝手なエボリューショナリーに作り出されたことを知ったグルートが、彼にやり直す機会を与えたのだ。なんとも懐のデカい選択だ。ノアの方舟状態になったノーウェアは、爆発するオルゴ・コープ社の宇宙船から逃れようとしたその時、クイルが宇宙空間に取り残されてしまう…。
「―リミックス」の時のように最後に大事な仲間を失ってしまうのかと思われた瞬間、意外な人物が彼を救出する。こうして、全員無事に帰還できたが、クイルとマンティスはそれぞれ次のステージに向かうためにチームから離脱することを決意。ガモーラもラヴェンジャーズに戻っていった。アベンジャーズもそうだが、ガーディアンズにも世代交代の時間が来たようだ。
チームは、ロケットをリーダーに新体制に生まれ変わった。予想の斜め上を行くメンバーも採用されているので、ぜひその目で確かめてほしい。クイルを中心としたガーディアンズは解散したが、伝説のスター・ロードはもちろん健在。また帰ってくる日のことを楽しみにしたい。
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3」は、ディズニープラスで配信中。
◆文=及川静
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